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思想としての“共和国”―日本のデモクラシーのために (増補新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079989
  • NDC分類 311.235
  • Cコード C1031

出版社内容情報

安保関連法が施行された中、著者たちは日本の民主主義を真剣に問うために再び結集。憲法、日本社会、政治思想…今考えるべきこととは「日本国憲法の根底にあるのは実は「市民的公共権力による自由」を追求する共和国の精神なのであり、にもかかわらずその解釈と運用は、初発の美濃部憲法学のときからしてすでにそこからの逸脱であり、「国家からの自由」への横滑りであった…」(「あとがき」)

安全保障関連法が施行されたなか、旧版で集い、市民社会と法思想を論じた著者は、再び日本の民主主義を問い直すために結集した。主権は、われわれ国民にある、近代国家を否定する相手と闘い、壊れゆく日本社会を救う手立てを考えなければならない、と。
フランスの〈共和国〉思想から何を学び、日本のデモクラシーにどう活かすのか。そして、日本社会の独自性を問い、いかに問題提起をなすべきかを論ずる。
法、社会、政治、思想…いまこそ、日本の民主主義をあらためて問わねばならない。
「すべては、人民をつくる政治的結合からはじまる」(水林章)、「比較憲法史論の視座転換と視野拡大」(水林彪)、「水林彪論稿に寄せて」(樋口陽一)、「「増補新版」のためのあとがき」(水林章)、以上四稿が増補に際する新稿、計70頁。

すべては、人民をつくる政治的結合からはじまる――「増補新版」のための導入にかえて  水林章

   *

あなたはデモクラットか、それとも共和主義者か  R・ドゥブレ(水林章訳)

現代世界に直面するメディオローグ――レジス・ドゥブレとの対話  R・ドゥブレ、三浦信孝

フランス共和国の孤独――十八世紀が照らし出す現代  水林章

新しい〈ユマニテ=人文学的教養〉のために――グローバリゼーションと来るべき教育  水林章

共和国の精神について〔鼎談〕  樋口陽一、三浦信孝、水林章
(鼎談を終えて 樋口陽一)

後記 I 三浦信孝
後記 II 水林章
読書案内

   *

[増補]比較憲法史論の視座転換と視野拡大――ドゥブレ論文の深化と発展のための一つの試み  水林彪

[増補]水林彪論稿に寄せて  樋口陽一

「増補新版」のためのあとがき  水林章

レジス・ドゥブレ[レジス ドゥブレ]
1940年パリ生まれ。作家・思想家。1960年代にカストロのキューバ革命に共鳴、チェ・ゲバラとゲリラ活動に参加、『革命の中の革命』(晶文社 1967)を刊行、20代で神話的存在となる。70年代初めにフランスに帰国し、左翼連合に貢献。80年代にはミッテラン大統領の外交顧問をつとめ、代表的左翼知識人として活躍、数多くの小説・エッセイを発表する。その後ミッテランと袂を分かちメディア化する権力を批判、近年は宗教についての考察を深めている。著書に『メディオロジー宣言』(レジス・ドブレ著作選1、NTT出版 1999)、『一般メディオロジー講義』(レジス・ドブレ著作選3、NTT出版 2001)、『屈服しないこと』(ジャン・ジーグラーとの共著、《リキエスタ》の会 2001)、『娘と話す 国家のしくみってなに?』(現代企画室 2002)、『思想としての〈共和国〉[増補新版]』(樋口陽一・三浦信孝・水林章・水林彪との共著、みすず書房 2016)ほか。

樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
1934年、仙台市生まれ。憲法学。東北大学・東京大学・パリ第2大学・パリ第5大学・社会科学高等研究院(EHESS)・フリブール大学(スイス)・上智大学・早稲田大学で教授、客員教授を歴任。その間、1981年に国際憲法学会創設委員となり、現在、同学会名誉会長。近年の著書に『近代国民国家の憲法構造』(東京大学出版会 1994)、『いま、憲法は「時代遅れ」か』(平凡社 2011)、『憲法 近代知の復権へ』(同 2013)、『加藤周一と丸山眞男』(同 2014)、『国法学[補訂版]』(有斐閣 2007)、『憲法という作為』(岩波書店 2009)、『「日本国憲法」まっとうに議論するために[改訂新版]』(みすず書房 2015)、『思想としての〈共和国〉[増補新版]』(共著、みすず書房 2016)ほか。

三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年盛岡市生まれ。中央大学名誉教授。専門は仏語仏文学、フランス文化社会論。著書に『現代フランスを読む』(大修館書店 2002)、共著に『〈共和国〉はグローバル化を超えられるか』(平凡社 2009)、『思想としての〈共和国〉[増補新版]』(みすず書房 2016)、編著に『多言語主義とは何か』(藤原書店 1997)、『普遍性か差異か』(同 2001)、『来るべき〈民主主義〉』(同 2003)、『自由論の討議空間――フランス・リベラリズムの系譜』(勁草書房 2010)ほか。

水林章[ミズバヤシアキラ]
1951年山形県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。パリ高等師範学校ENS-Ulm入学。パリ第7大学テクストと資料の科学科博士課程修了。第三期課程博士。博士(学術)。現在、上智大学教授。専攻は17-19世紀前半のフランス文学・思想。著書に『幸福への意志――〈文明化〉のエクリチュール』(みすず書房 1994)、『公衆の誕生、文学の出現――ルソー的経験と現代』(同 2003)、『『カンディード』〈戦争〉を前にした青年』(同 2005)、『モーツァルト《フィガロの結婚》読解――暗闇のなかの共和国』(同 2007)、『思想としての〈共和国〉[増補新版]』(共著、みすず書房 2016)ほか。訳書にJ-M・アポストリデス『機械としての王』(同 1996)、D・ペナック『学校の悲しみ』(同 2009)ほか。

水林彪[ミズバヤシタケシ]
1947年山形県生まれ。東京都立大学名誉教授、早稲田大学特任教授。専門は日本法制史。著書に、『封建制の再編と日本的社会の確立[日本通史 II 近世]』(山川出版社 1987)、『記紀神話と王権の祭り』(岩波書店 1991、新訂版 2001)、『天皇制史論――本質・起源・展開』(岩波書店 2006)、『国制と法の歴史理論――比較文明史の歴史像』(創文社 2010)、『思想としての〈共和国〉[増補新版]』(共著、みすず書房 2016)ほか。

内容説明

フランスの“共和国”思想から何を学び、日本の民主主義にどう活かすのか。日本社会の独自性を問い、いかなる問題提起をなすべきか。火急の書き下ろし70頁。

目次

すべては、人民をつくる政治的結合からはじまる―「増補新版」のための導入にかえて
あなたはデモクラットか、それとも共和主義者か
現代世界に直面するメディオローグ―レジス・ドゥブレとの対話
フランス共和国の孤独―十八世紀が照らし出す現代
新しい“ユマニテ=人文学的教養”のために―グローバリゼーションと来るべき教育
共和国の精神について(鼎談)
増補 比較憲法史論の視座転換と視野拡大―ドゥブレ論文の深化と発展のための一つの試み
増補 水林彪論稿に寄せて

著者等紹介

ドゥブレ,レジス[ドゥブレ,レジス] [Debray,R´egis]
1940年パリ生まれ。作家・思想家。1960年代にカストロのキューバ革命に共鳴、チェ・ゲバラとゲリラ活動に参加、『革命の中の革命』(晶文社、1967)を刊行、二十代で神話的存在となる。70年代初めにフランスに帰国し、左翼連合に貢献。80年代にはミッテラン大統領の外交顧問をつとめ、代表的左翼知識人として活躍、数多くの小説・エッセイを発表する。その後、ミッテランと袂を分かち、メディア化する権力を批判、近年は宗教についての考察を深めている

樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
1934年仙台市生まれ。憲法学。東北大学・東京大学・パリ第2大学・パリ第5大学・社会科学高等研究院(EHESS)・フリブール大学(スイス)・上智大学・早稲田大学で教授、客員教授を歴任。その間、1981年に国際憲法学会創設委員となり、現在、同学会名誉会長

三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年盛岡市生まれ。中央大学名誉教授。専門は仏語仏文学、フランス文化社会論

水林章[ミズバヤシアキラ]
1951年山形県生まれ。上智大学教授。専攻は17‐19世紀前半のフランス文学・思想

水林彪[ミズバヤシタケシ]
1947年山形県生まれ。東京都立大学名誉教授、早稲田大学特任教授。専門は日本法制史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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