貧困と闘う知―教育、医療、金融、ガバナンス

個数:

貧困と闘う知―教育、医療、金融、ガバナンス

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月25日 09時22分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079835
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C1033

出版社内容情報

いま世界で最も注目されている経済学者の一人が、開発経済学の最先端の成果を、簡潔かつ詳細に語る入門書。開発経済学の最前線。インド、マラウィ、ケニア、メキシコ、バングラデシュでの実践が明らかにしたのは……ワクチン接種キャンペーンをもっと効果的にするには? 低コストで子どもたちの教育を改善するには? 出勤しない教師や看護師にどう対応する? マイクロクレジットは貧農を救う魔法の処方箋か? 村落集会はほんとうにコミュニティの自己決定を強化しているのか?

「そのコンセプトの明快さ、その柔軟性、そしてそれが政策と研究の交差点に位置していることによって、ランダム化比較実験は特別に豊かで汎用性が高い道具になった。…本書では、こうした実験について報告することで、人間開発の挑戦に新たな光を当てることにしたい。私たちは、伝統的な政策はどの程度まで目的を果たすことができたのか、そして、これほどまでに進歩が遅いのはなぜなのかを、理解しようと試みる。この探究を進めるにあたって、私たちはアクターの行動や動機の豊かさを明らかにしようと試みる。これらをよく理解することによって、私たちは、より効果的な政策を立案するための道筋を提案できることになるだろう」(第 I 部の序)

生活水準のみならず、市民的自由の前提でもある、教育、医療、金融、ガバナンスについての最新の研究成果を凝縮。

謝辞

第 I 部 人間開発
第 I 部の序

第1章 教育――通わせるか、学ばせるか
教育を普及させる――伝統的アプローチ
  学校教育に補助金を出す/親に支払う/伝統的アプローチの限界
学校教育への参加を促す
  教育の価値を知らせる/生徒たちの健康状態/費用と便益
知識の伝播
  「同じものを増やす」という失敗/追加的な資源を利用して教育法とモチベーションを変える/教員にモチベーションを与える――金銭的インセンティブが果たす役割
制度を改革する
  親にすべての権力を?/学校の民営化?
学校を改革する

第2章 健康――行動と制度
ウダイプルにおける保健医療
保健医療の供給と需要――切り離せない諸要因
  階層的アプローチ/利用者の動員/良質なサービスに対する需要が弱いのはなぜか
予防行動の価格感受性が強いのはなぜか
予防医学に関する情報の伝達――戦略、成功、失敗
保健医療政策にかかわる含意

第 I 部の結論

第II部 自立政策
第II部の序

第3章 マイクロファイナンスを問い直す
貧困と、融資へのアクセス
  信用市場の経済分析/高い金利で需要は縮小するのか/高い金利は信用の質を悪化させるか
マイクロファイナンスの成功の秘訣
  女性にお金を貸す/毎週の返済/連帯責任による貸付/グループでお金を借りる/マイクロファイナンスと取引費用
マイクロクレジットのインパクト
クレジットを超えて
  強制的な規律/保険の効力/マイクロファイナンスにはどのような未来があるか

第4章 ガバナンスと汚職
どうやって汚職と闘うか
  汚職を計測する/汚職を理解する/汚職と闘う
地方のガバナンスを改善する
  地方分権の利点と弱点/民衆参加の効率性/ルールと政策決定/クオータ制によって女性蔑視を緩和することができるか/能力か、イデオロギーか
ガバナンスと、貧困に対する闘い

第II部の結論

訳者解説
原注

エステル・デュフロ[エステルデュフロ]
MIT(マサチューセッツ工科大学)経済学部で貧困削減開発経済学担当のアブドゥル・ラティーフ・ジャミール教授。アブドゥル・ラティーフ・ジャミール貧困アクション研究所(J-PAL)の共同創設者、共同所長。研究では、貧困層の経済生活を理解し、それを社会政策の設計、評価につなげることを目指している。研究領域は、健康、教育、金融的包摂、環境、ガバナンス。パリ高等師範学校で史学の学位を取得後、MITで学び、1999年の博士号取得とともにMIT助教となって現在に至る。全米芸術科学アカデミーおよび計量経済学会のフェロー。2010年には40歳以下で最高のアメリカの経済学者に授与されるジョン・ベイツ・クラークメダル、2009年にはマッカーサー「天才」フェローシップ、2010年初代カルヴォ・アルメンゴル国際賞(Calvo-Armengol International Prize)など受賞歴多数。著書『貧乏人の経済学』(アビジット・V・バナジーと共著、2011〔山形浩生訳、みすず書房、2012〕)、『貧困と闘う知』(2010〔峯/アリーン訳、みすず書房、2017〕)ほか。

峯陽一[ミネヨウイチ]
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門はアフリカ地域研究、人間の安全保障研究。著書『南アフリカ――「虹の国」への歩み』(岩波新書、1996)『現代アフリカと開発経済学――市場経済の荒波のなかで』(日本評論社、1999) 編著『南アフリカを知るための60章』(明石書店、2010)Preventing Violent Conflict in Africa(Palgrave, 2013) 訳書 デュフロ『貧困と闘う知』(共訳、みすず書房、2017) 監訳書 マンデラ『自由への容易な道はない』(青土社、2014)ほか。

コザ・アリーン[コザ アリーン]
リール生。技術翻訳家。共訳書 マゴナ『母から母へ』(現代企画室、2002)、デュフロ『貧困と闘う知』(みすず書房、2017)。

内容説明

開発経済学の最前線をコンパクトに紹介。ランダム化比較実験(RCT)を駆使した実証により、常識を覆し、貧困削減の具体的な政策を提示する。

目次

第1部 人間開発(教育―通わせるか、学ばせるか;健康―行動と制度)
第2部 自立政策(マイクロファイナンスを問い直す;ガバナンスと汚職)

著者等紹介

デュフロ,エステル[デュフロ,エステル] [Duflo,Esther]
MIT経済学部で貧困削減開発経済学担当のアブドゥル・ラティーフ・ジャミール教授。アブドゥル・ラティーフ・ジャミール貧困アクション研究所(J‐PAL)の共同創設者、共同所長。研究では、貧困層の経済生活を理解し、それを社会政策の設計、評価につなげることを目指している。研究領域は、健康、教育、金融的包摂、環境、ガバナンス。パリ高等師範学校で史学の学位を取得後、MITで学び、1999年の博士号取得とともにMIT助教となって現在に至る

峯陽一[ミネヨウイチ]
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門はアフリカ地域研究、人間の安全保障研究

アリーン,コザ[アリーン,コザ]
フランス、リール生。技術翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

s-kozy

88
フランス出身で現在はアメリカのマサチューセッツ工科大学に籍を置く経済学者による著書。フランスの開発援助の改善に貢献するという目的があったとのこと。臨床医学の分野で新薬の効果測定などで一般化している統計学の手法ランダム化比較実験を駆使しているのが特徴。これにより社会開発分野における政策介入の効果を分析している。結論としては貧困の撲滅のためには市場と政府がそれぞれ役割を果たしながら、合理的にそれらを組み合わせていこうということになるのであろう。今も貧困問題を解消できない我々にとって非常に重要な考え方だと思う。2017/05/14

えちぜんや よーた

87
右よりの経済学者であれば「初等教育もワクチン接種もクーポン配ったらええやん」という結論になるが、本書ではそんな単純な結論は出さない。政府もNGOも適度に介入せよということを説いている。日本国内にいるとあまり感じられないが、本書に登場する国は情報の非対称性がめちゃくちゃ大きい。その格差を是正するために市場の外からの介入が必要なのだが、政治家や官僚の腐敗っぷりが桁はずれ。だから開発途上国の貧困問題は一筋縄ではいかない。そのせいか地をはうような地道な社会実験の結果が淡々とつづられている。2017/05/06

壱萬弐仟縁

56
2010年初出。教育と健康は、それ自体に価値があると同時に経済成長の要因でもある。A.センのみならず、G.ベッカーも教育と健康の重要性は認めている(10頁)。教育は、何よりもまず、一つの投資である。よりよい教育を受けた子どもたちは、より多く稼ぐことができて、(理屈の上では)より完璧な人生を送ることができるのだ(26頁)。テストの結果はちょっとした試みで簡単に操作できる(46頁)。民営化されている教育制度のもとでは、親に情報を与え、学校に関して最もよい選択ができるようにすることが重要(54頁)。2017/05/21

きいち

32
いま味方にせねばならないのは人々の意思決定の背景まで想像する力、そして、有無を言わせず聞く気にさせる数字の説得力。◇こないだノーベル賞とった『貧乏人の経済学』の著者の一人による、援助者向け講座の書籍化。ランダム化比較実験、ほんとパワフル。◇予防医療も教育もマイクロファイナンスも汚職防止も、投資のリターンは目に見えなくてターゲットに響きにくい。なので必要なのはインセンティブ。始めてこそ得られる効果実感。◇途上国だけの話じゃない、日本の社会人学習の実施者が伸びない理由も同じもの。そう見ると本当にヒント多い。2019/12/27

たばかる

25
貧困を取り扱う物はたくさんあるだろうが、本書では様々な改革の中の実践的な効果を検証するプロセス•方法に注目している。例えば、インドにおける予防接種率の向上に向けて如何なる報酬を行えば住民は嬉々として受け入れられるのか、などを手を替え品を替え試行錯誤する過程が細かに記された。逆から見れば、いっこの問題や総括する大枠となる理論(?)のようなものが明確に提示されてるとは言い難いという点において、貧困問題の調査の指南書のような扱いになるのか、と思われた。2019/11/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11493243
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。