出版社内容情報
小説『マイケル・K』『恥辱』で知られるノーベル賞作家、待望のベスト評論集。ベケットからゴーディマまで鋭く分析する文学の現在形
小説『マイケル・K』『恥辱』で二度のブッカー賞を受け、全業績に対してノーベル賞を与えられた同時代最高の作家クッツェー。彼の作品は、古典から現代小説までの精密な読解によって生まれたものであり、ここに初めて紹介されるクッツェーの文学批評がそれを裏付ける。講演によるエリオット批判、ベケットやカフカの精密な作品分析、検閲や南アフリカ文学の問題など、どれを読んでも膝を打つ。まさに世界文学の現在形を照らす、待望のベスト評論集。
内容説明
古典とは何か?スタイルの誘惑。告白と二重思考。検閲の闇を抜けて。狂気とライヴァル関係。言語文化横断的な批評家クッツェーの精粋を、この一冊に凝縮。
目次
古典とは何か?講演
サミュエル・ベケットとスタイルの誘惑
カフカ「巣穴」における時間、時制、アスペクト
告白と二重思考―トルストイ、ルソー、ドストエフスキー
検閲の闇を抜けて
エラスムス―狂気とライヴァル関係
ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』
ローベルト・ムージル『日記』
J.L.ボルヘスの『小説集』
ヨシフ・ブロツキーのエッセイ
ゴーディマとツルゲーネフ
ドリス・レッシング自伝
ガブリエル・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』
サルマン・ルシュディ『ムーア人の最後のため息』
著者等紹介
クッツェー,J.M.[クッツェー,J.M.] [Coetzee,J.M.]
1940年、南アフリカのケープタウン生まれ。ケープタウン大学で文学と数学の学位を取得。65年に奨学金を得てテキサス大学オースティン校へ。ベケットの初期作品の文体研究で博士号取得。68年からニューヨーク州立大学で教壇に立つが、永住ヴィザがおりず、71年に南アフリカへ帰国。74年、最初の小説『ダスクランド』出版。以降、ケープタウン大学で教えながら小説・批評を次々と発表する。83年『マイケル・K』と99年『恥辱』で英国のブッカー賞を2回受けた。03年、ノーベル文学賞受賞
田尻芳樹[タジリヨシキ]
1964年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。ロンドン大学で博士号取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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