出版社内容情報
ヨーロッパ普遍主義の根底には、19世紀における比較言語学と仏教の発見があった。M・フーコーの仕事にも通じる卓抜な思想史の書。
ヨーロッパの普遍主義の根底には、19世紀における比較言語学と仏教の発見があった。インド‐ヨーロッパ語(アーリア語)の発見によって、仏教がキリスト教の起源であるとまで考えられ、一方でセム系のイスラム教はアラブ人だけの民族宗教に格下げされたのである。古代ギリシャよりも古い「原インド‐ヨーロッパ」という系譜の発見を、「世界宗教」という言説の発明から読み解く。M・フーコーの仕事にも通じる卓抜な思想史の書。
はじめに/序章/第一章 「世界宗教」成立前史/第二章 比較神学の遺産/第三章 世界宗教の出産トラウマ/第四章 世界宗教、仏教/第五章 言語学とヨーロッパの過去における裂け目の発見/第六章 セム的宗教、イスラム/第七章 時季外れの言語学者――F・マックス・ミュラーの言語と宗教の分類/第八章 空位期間――二〇世紀初期に関するオムニバスガイド/第九章 覇権の問題――エルンスト・トレルチと再構築されたヨーロッパ普遍主義/解説(藤原聖子)/訳者あとがき/文献一覧/索引
内容説明
19世紀の比較言語学によるインド‐ヨーロッパ語(アーリア語)の発見が、仏教に普遍性を、イスラム教に民族性を付与した。西洋の自己認識を世界宗教という言説の編成から探る、卓抜なる思想史。
目次
第1部(「世界宗教」成立前史;比較神学の遺産)
第2部(世界宗教の出産トラウマ;世界宗教、仏教;言語学とヨーロッパの過去における裂け目の発見;セム的宗教、イスラム;時季外れの言語学者―F・マックス・ミュラーの言語と宗教の分類)
第3部(空白期間―二〇世紀初期オムニバスガイド;覇権の問題―エルンスト・トレルチと再構築されたヨーロッパ普遍主義)
著者等紹介
増澤知子[マスザワトモコ]
東京都生まれ。カリフォルニア大学でph.D.(宗教学)。現在、ミシガン大学教授(比較文学、歴史学)
秋山淑子[アキヤマトシコ]
1962年生まれ。東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒。翻訳者
中村圭志[ナカムラケイシ]
1958年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修了(宗教学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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