出版社内容情報
フロイトと精神分析に出会い、症例・狼男の人生はどのように変わったか。狼男の回想録を中心に多面的考察を加えた精神分析学の名著。
フロイトと精神分析に出会い、症例「狼男」の人生はどのように変わったのか。姉や両親との思い出、精神分析をはじめとする数々の治療体験、ナチス体制下で困窮する生活、そして最愛の妻・テレーゼの自死……。狼男自身による回想録を中心に、のちに狼男の治療をしたルース・マック・ブランスウィック、晩年の狼男を支えたミュリエル・ガーディナーによる多面的考察を加えた精神分析学の名著。
序文(ミュリエル・ガーディナー)
前文(アンナ・フロイト)
第一部 狼男の回想録(狼男)
子ども時代の思い出
一九〇五―一九〇八年 無意識の悲哀
一九〇八年 スペインの城
一九〇九―一九一四年 移り変わる決心
一九一四―一九一九年 分析の後
一九一九―一九三八年 日常生活
一九三八年 クライマックス
第二部 精神分析と狼男
ジグムント・フロイトの思い出(狼男)
フロイトの「ある幼児期神経症の病歴より」への補遺(一九二八年)(ルース・マック・ブランスウィック)
第三部 後年の狼男(ミュリエル・ガーディナー)
狼男との出会い(一九三八―一九四九年)
狼男との再会(一九五六年)
老いゆく狼男
診断的印象
謝辞
訳者あとがき
原註
索引
内容説明
「フロイトの執筆したすべての症例史の中で最も精緻で、最も重要なものである」(J.ストレイチィ)とまで評される論考「ある幼児期神経症の病歴より」。その名著のなかで提示された症例「狼男」ことセルゲイ・パンケイエフの人生は、フロイトと精神分析に出会うことでどのように変わったのだろうか?姉や両親との暮らし、フロイトの精神分析をはじめとする数々の治療体験、ロシア革命と二度の世界大戦、そして最愛の妻テレーゼの死…。狼男自身による回想録を中心に、フロイトの後に彼に精神分析を行ったルース・マック・ブランスウィックの記録、晩年の狼男を支えたミュリエル・ガーディナーによる多面的考察が加えられ、狼男の90年以上におよぶ生涯が詳らかにされる。フロイトの「最も有名な症例」として生きた男の真実の姿に迫る、精神分析学の重要古典。
目次
第1部 狼男の回想録(子ども時代の思い出;一九〇五‐一九〇八年―無意識の悲哀;一九〇八年―スペインの城;一九〇九‐一九一四年―移り変わる決心;一九一四‐一九一九年―分析の後;一九一九‐一九三八―日常生活;一九三八年―クライマックス)
第2部 精神分析と狼男(ジグムント・フロイトの思い出;フロイトの「ある幼児期神経症の病歴より」への補遺(一九二八年))
第3部 後年の狼男(狼男との出会い(一九三八‐一九四九年)
狼男との再会(一九五六年)
老いゆく狼男
診断的印象)
著者等紹介
ガーディナー,ミュリエル[ガーディナー,ミュリエル] [Gardiner,Muriel]
1901‐1985。アメリカの精神分析家。1922年にウェルズリー大学を卒業後、1926年にフロイトのもとで精神分析を学ぶために訪れたウィーンで狼男と知り合い、狼男にロシア語を習っていた。その後も親交を続け、狼男の妻テレーゼが自殺したのちも、狼男を友人として支え続けた
馬場謙一[ババケンイチ]
1934年新潟県生まれ。東京大学文学部独文科、慶應義塾大学医学部卒業。斎藤病院勤務、群馬大学・横浜国立大学・放送大学・中部大学の教授を経て、現在、南八街病院、上諏訪病院勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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