小さな町にて―随筆コレクション〈2〉

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  • サイズ A5判/ページ数 525,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622078241
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

名随筆「小さな町にて」はじめ早世した作家の晩年の随筆、美術エッセイ、書評を集成。単行本未収録作約170編含む240編

内容説明

随筆の名手が、その早すぎる晩年に発表した青春と読書をめぐる表題作、美術エッセイ、書評など248編(単行本未収録作175編)収録。書くことが生きることだった作家の息吹を、この現代に送る。

目次

1978(鬼火;古川薫さんへ―新春賀状 ほか)
1979(海峡;肝腎の質問 ほか)
1980(昨日の空・明日の空;古本の話その他 ほか)
小さな町にて―1978‐1979(H書店のこと;叔父 ほか)
書評―1965‐1980(岡村昭彦「南ヴェトナム戦争従軍記」;高井有一「朝の水」 ほか)
絵とおしゃべり―1978‐1980(ゴヤとの対話;ある冬の夜 ほか)

著者等紹介

野呂邦暢[ノロクニノブ]
1937年9月20日長崎市生まれ。1945年、8歳で諌早市に疎開、同地で長崎への原爆投下を目の当たリにする。1956年、長崎県立諌早高校卒業。同年秋に上京しアルバイト生活を送る。1957年春に帰郷。同年6月、陸上自衛隊に入隊。翌年、北海道で除隊。諌早で家庭教師をしながら小説執筆をはじめる。1965年「或る男の故郷」で文學界新人賞佳作。1967年、「壁の絵」芥川賞候補。以降、「白桃」「海辺の広い庭」「鳥たちの河口」が同賞候補となる。1974年、「草のつるぎ」で第70回芥川賞受賞。1980年5月7日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Voodoo Kami

5
 朝起きたらまず野呂邦暢の本を25分間読むという日々が続いています。1日わずか十数ページでも毎日続けると500ページの本なら1ヶ月ほどで読み終えることになる。『兵士の報酬』と本書『小さな町にて』はこうして読み終えました。映画、絵画、邪馬台国、故郷、東京、身辺雑記、もっともっと読んでいたい名随筆揃い。野呂さんがスケッチに出かけたという東山手界隈にも思わず歩きに行った始末。「他人への批評が自注となる」のが作家の書評であるという岡崎武志さんの解説にもうなりました。2015/04/15

あきこ

5
なんていうか、今までに感じたことのないような穏やかさとやさしさに包まれた読み心地。長崎から疎開した諫早、原爆で友人のほとんどを亡くし、第二の故郷となる諫早に住みながら書いた「小さな町にて」。この随筆コレクションのなかでは印象深く、たぶん作者らしいものだと思う。次は京都での浪人時代の文章。浪人というかただ遊び暮らした日々、で作者の若々しい時代の感受性が気持ちいい。圧巻なのは書評だ。なんと私は一冊も読んだことがなかった。山上健二が多かったな。惜しい作家を亡くしたものだ、とただそう思った。2014/10/17

takao

1
ふむ2024/11/14

こまっちゃん

1
珠玉のエッセイ集です。本編には著者の書評集も含まれています。2014/10/29

novutama

0
文学、歴史、戦争、絵画、風景、自らが惹かれる全てに対して、まっすぐに向き合い続けた人だ。経過した時は問題にならない。瑞々しいまま遺されている。何かを好きになるということは、理屈ではない。ただし理由はある。深くて長くて、時にどうでもいいような理由が。気になれば何度も戻り足を止め物した貴重な記録だ。「経験を文章にするというのは一度喪失した人間的なものを、書くという作業によって回復したいという願望のあらわれである。これほど人間的なものはないから。だから書くことはその兵士にとってもう一度、戦うことでもある。」2015/02/07

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