兵士の報酬―随筆コレクション〈1〉

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  • サイズ A5判/ページ数 491,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622078234
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

1980年、42歳で急逝した野呂邦暢。再評価著しい作家の随筆作品を多数の単行本未収録作品を含め集成。本巻は215編収録。

1980年、42歳で急逝した野呂邦暢。長崎・諫早に根をおろして執筆をつづけ、小説「草のつるぎ」(第70回芥川賞受賞、「諫早菖蒲日記」など、その端正で丹念な文学世界を構築した。再評価が著しい作家の随筆作品を多数の単行本未収録作品を含め集成。本巻は、初めて野呂の文章が活字になった「ルポ・兵士の報酬」(1962年)をはじめ、1962年~1977年発表の215編を時系列で収録(うち単行本未収録作品79編)。解説・池内紀

1962年~1972年 ルポ・兵士の報酬、夕暮の緑の光 他/1973年 一枚の写真から、鳥・干潟・河口 他/1974年 死の影、小野田さんの帰還に思う、石牟礼道子さんへ/1975年 作家の眼、靴屋の親子、「デルス・ウザーラ」/1976年 頭の皿、グラナダの水/連載・古い革張椅子(1976年)/1977年 父の二つの顔、私の遺書、36年年目の12月8日/解説・池内紀

内容説明

故郷長崎・諌早に根をおろし、端正で強靱な文体によって独自の文学世界を紡ぎつづけた作家野呂邦暢(1937‐1980)。小説にとどまらないその文業を集成する“随筆コレクション”(全2巻)をここに刊行する。第1巻にあたる本書は、初めて公の活字になった文章「ルポ・兵士の報酬―第八教育隊」(日本読書新聞“読者の論文”入選、1962年)ほか、1962‐77年発表の210編余(うち単行本未収録作品79編)を収録。

目次

ルポ・兵士の報酬―第八教育隊
夕暮の緑の光
K書房主人
ボブ・ディラン!(第一集)―一枚のレコード
葦のしげみの彼方に
幸福の暈
露字新聞ヴォーリャ
「海辺の広い庭」
長崎はついてまわる―尾崎正義さんの個展によせて
春有明の潟で〔ほか〕

著者等紹介

野呂邦暢[ノロクニノブ]
1937‐1980。長崎市生まれ。1956年、長崎県立諌早高校卒業。同年秋に上京しアルバイト生活を送る。1957年春に帰郷、同年6月、陸上自衛隊に入隊。翌年、北海道で除隊。諌早で家庭教師をしながら小説執筆をはじめる。1965年「或る男の故郷」で文學界新人賞佳作。1967年、「壁の絵」芥川賞候補。以降、「白桃」「海辺の広い庭」「鳥たちの河口」が同賞候補となる。1973年、第一創作集『十一月水晶』(冬樹社)刊行。1974年、「草のつるぎ」で第70回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

25
端整な筆致の中にユーモアも感じられる、随筆のお手本のような作品。古書好きの著者のおすすめで、また読みたい本が増えた。郷土にこんな作家がいたなんて、夭折が惜しまれる。2016/02/25

Voodoo Kami

4
 生まれ故郷である「長崎」、終の住み処となった「諌早」、作品発表の場としての「東京」、次々と書かれる随筆の中にそれぞれの場所へのアンビバレントな思いが錯綜していて、同じ行政区域に現在住む者としてときに同じような感慨を抱きました。40年近く前に書かれた文章なのに、いま読んでもそのほとんどがまったく古びていない。明晰でいてその視線は優しく、かつ厳しい。私もまた野呂さんが見ていたであろう風景に近いものをいま見ている。そのことにどれほど慰められ力づけられているか、この随筆集からほとほと思い知らされました。2015/03/13

shizuka

2
これが40年近く前の随筆とは思えない。時は流れても色あせず瑞々しい。こんなにも夢中になれる作家に出会えて、私は幸せだ。魅力的な文体を味わい、随筆の隙間にこぼれている野呂邦暢を見つけようと目をこらず。とても良い時間を過ごせた。ここで「ルポ・兵士の報酬」を初めて読んだ。野呂邦暢と戦争文学・自衛隊は切り離せないと知りつつ、今までこの手の作品に食指が動かなかったが、これを読んで考えが一変した。どんなテーマの中にも、私の好きな野呂邦暢は必ず存在する。これは、とても大きな収穫だったと思う。2016/11/07

novutama

2
惜しい人を亡くした。35年も前にこの世を去った芥川賞作家に対して今更思う。36歳で受賞してから6年。寡作であったから遺された小説は多くはない。おまけに歳月は流行作家とは言えない彼の著作を人目から遠ざけた。彼の小説と随筆が最近まとめて出版されているのを偶然知った。滅多に行かない県立図書館で書籍が手招きしていた。彼が新聞、雑誌に数多の随筆を物していたとは。文学、故郷にして終の住処とした長崎は諫早、戦争と原爆、筆は多岐に及ぶ。丁寧な文体は草いきれや干潟の風をも運ぶ。「言葉を知らないのは人間を知らないことです。」2015/01/06

takao

1
ふむ2024/11/14

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