ヴェール

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  • サイズ A5判/ページ数 201p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784622078111
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C1010

出版社内容情報

ヴェールを剥ぐと真実が現れるという従来の哲学への疑問から始まり、西洋思想の根本を書き換える、スリリングな応答。

ヴェール(voile)には、二つの同音異義語がある。宗教的理由で女性が被るヴェール(男性名詞)と、船の帆(女性名詞)。抑圧と解放の意味を持つ「ヴェール」を焦点に、デリダとシクスーが応答する、スリリングな書物だ。ヴェールを剥ぐと真実が現れるという伝統的哲学への疑問から始まり、西洋哲学の根本を書き換える。ともにアルジェリア生まれで四〇年来の盟友である二人。後期デリダ思想の核心へと誘う、きわめて重要な著作。

サヴォワール(エレーヌ・シクスー)/蚕(ジャック・デリダ)

内容説明

性的差異の論理を根本から書き換え、デリダの到達点を告げる、恐るべきエクリチュール。

目次

サヴォワール(エレーヌ・シクスー)
蚕(ジャック・デリダ)

著者等紹介

シクスー,エレーヌ[シクスー,エレーヌ] [Cixous,H´el`ene]
1937年アルジェリアに生まれる。パリ第8大学ヴァンセーヌ校創立に関わり、女性研究センターを開設。同大学で女性学および文学を講じながら、小説、戯曲、エッセイなど50以上の著作を発表。エクリチュール・フェミニンの論客として注目を集める

デリダ,ジャック[デリダ,ジャック] [Derrida,Jacques]
1930‐2004。アルジェリアに生まれる。20世紀を代表する思想家、現象学の再検討から出発し、ニーチェやハイデガーの哲学を批判的に発展させる。脱構築、差延、散種、グラマトロジーなどの概念を作り出し、ポスト構造主義を代表する哲学者と目される。1984年から19年間、社会科学高等研究院でセミナーを開講。同時代の諸問題を西洋哲学の根本問題とともに鋭利かつ重層的に論じ、晩年は「来たるべき民主主義」の思考を練成させる

郷原佳以[ゴウハラカイ]
1975年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第7大学博士課程修了。フランス文学専攻。現在、関東学院大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

madofrapunzel

7
★★★☆☆ 読みましたよ。難しすぎてわっけがわからんです。訳者解説にもあるようにこれはデリダ全著作の到達点とも言うべきものであり、中期・後期デリダにも通じてないと分かるようにはならないだろう。ちんぷんかんぷんでした。ちなみに☆3つもあるのは装丁がきれいなことときれいな小説として読めるからです笑2014/06/05

渡邊利道

3
シクスーの小説っぽいエッセイ、近眼の女性が視力を回復して、積痾からヴェールが取り払われ、近眼の自分の喪に服すという「サヴォワール」と、それについてデリダがブエノスアイレス、サンティアゴ、サンパウロと移動しながら書き継いだ思弁的エッセイ「蚤」の合本。大きめの判型で時折写真が挟まる美しい本。文学的で、親密で、凝縮されているようで、ほどけていく論理の編目が眩しい。デリダって面倒くさくて嫌そうな人なのに妙に女性に愛されている印象がある。2017/03/04

nranjen

2
図書館本。1998年の作品。シクスー「知」とデリダの「蚕」の二つのテキストが呼応しあい独特の世界を織り上げている。「知」は高校時代気づかぬうちに近視が相当進み眼鏡をかけた時の驚きを思わず思い出し共感笑←違。未視は弔われています。告白とデリダが名付けるこの作品を、独特の言葉遊び的概念とイメージの展開でデリダが解釈。savoirに含まれる視覚と自らを持つ事をはじめ、ヴェールという単語が含む2つのジェンダー、ヴェールとタリートと蚕のイメージ等、距離を持つこの2つのテキストがともに響きあい一つに織り成され美しい。2019/01/15

eraser head

1
真理の歴史性を考えることはできるかどうかみたいな話かと思ったけど、『失恋ショコラティエ』を読んで、まんま『ヴェール』じゃん!とか思った。しかし、この路線をどう展開するかはもうちょっと考えてみたい。2014/03/18

保山ひャン

0
エレーヌ・シクスーの「サヴォワール」は、彼女自身のヴェールでもあった近眼を、治療してしまったことで生まれた思索。その「サヴォワール」について書いたのが、つづくデリダの「蚕」。タリートや審判に話をひろげていく。シクスーが「V」を含んだ語彙を多用しているのに、あえて最も使いそうな「帆(la voile)」を使っていないことについて、デリダはこう言っている。「これは、帆は存在しないということなのだろうか?」「いや、サヴォワールは、その博学な無知によって、帆を知らないでいる術を知っているのである」名探偵デリダ!2015/04/08

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