出版社内容情報
ニューヒストリシズムの騎手たるグリーンブラットによる久しぶりの本格的論考。シェイクスピアに関する彼の議論の多くが個別の作品を論じていたのに対して、本書は彼の作品全体に流れる精神の有り様を捉えようとしている。エリザベス朝の絶対主義的な要請は自由への足枷になると同時に、シェイクスピアの芸術成立、自由探求の条件になっている。また彼はしみも個性もない理想美に反して醜悪やグロテスクなものにも美を見出している。現代有数の歴史家と偉大な劇作家との時代を超えた〈文化と主体〉をめぐる対話。
内容説明
不自由さを強制する政治・文化の中で、人と芸術はいかにして自由たりうるか?時代と空間を越えて交わされる“文化と主体のあり方”をめぐる深い考察と対話。
目次
第1章 絶対的な限界
第2章 シェイクスピアにとっての美の徴
第3章 憎悪の限界
第4章 シェイクスピアと権力の倫理
第5章 シェイクスピアにとっての自律性
著者等紹介
グリーンブラット,S.[グリーンブラット,S.] [Greenblatt,Stephen]
1943年マサチューセッツ州ケインブリッジに生まれる。1964年イェール大学卒業、69年PhD.カリフォルニア大学バークレイ校教授を経て、1997年以降、ハーヴァード大学教授
高田茂樹[タカダシゲキ]
1954年、福井県に生まれる。1976年、京都府立大学文学部卒業。1980年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。現在、金沢大学教授。専門、イギリス・ルネサンスの文化、批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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