野生のオーケストラが聴こえる―サウンドスケープ生態学と音楽の起源

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  • サイズ B6判/ページ数 289,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622077947
  • NDC分類 761.12
  • Cコード C0040

出版社内容情報

「自然界の音楽とはどんなものか、クラウスの仕事が教えてくれる」(ピート・シーガー)生物と環境がつくる音響の意味を説き明かす。

「自然界の音楽とはどんなものか、クラウスの仕事が教えてくれる」(ピート・シーガー)
 著者のクラウスは過去40年間に世界中の自然環境を訪ね、刻々と失われ続ける貴重な野生の音を録音収集してきた。本書では、生物と環境が生みだす多彩で生命力に満ちた音響の意味を、音の風景全体(サウンドスケープ)に注目する独自の手法で解き明かす。著者自身の感動がすべてのページから伝わってくるみずみずしい筆致に、本を開いた瞬間から引き込まれる。環境音についての私たちの認識を一変させる書。

音声の聴き方
目次

序章 過去からの残響
第一章 わたしを導く音
第二章 大地の声
第三章 生命そのものが音を編成する
第四章 バイオフォニー 原始のオーケストラ
第五章 初めての音
第六章 異なる民族、異なる鳴き声
第七章 ノイズの霧
第八章 ノイズとバイオフォニー 水と油
第九章 コーダ──希望
謝辞
原注

訳者あとがき
参考資料
音声一覧
索引

内容説明

サウンドスケープ生態学のパイオニアが収集した野生の音が物語る、音楽の始原の状景。

目次

序章 過去からの残響
第1章 わたしを導く音
第2章 大地の声
第3章 生命そのものが音を編成する
第4章 バイオフォニー 原始のオーケストラ
第5章 初めての音
第6章 異なる民族、異なる鳴き声
第7章 ノイズの霧
第8章 ノイズとバイオフォニー 水と油
第9章 コーダ―希望

著者等紹介

クラウス,バーニー[クラウス,バーニー] [Krause,Bernie]
1938年生まれ。ナチュラリスト、音響生態学者、ミュージシャン、音響エンジニア。ギタリストとして1963年にフォークバンド、ウィーヴァーズの新メンバーとして注目を集め、64年同バンドの解散後はポール・ビーヴァーとともに「ビーヴァー&クラウス」を結成。ポップミュージックにおけるアナログシンセサイザーの使用、特に60‐70年代を通じたMoogの流行を先導したパイオニアとして知られる

伊達淳[ダテジュン]
翻訳家。1971年生まれ。和歌山県那智勝浦町出身。関西学院大学商学部、東京外国語大学欧米第一課程卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

qoop

4
芳醇な生態系では、種ごとに異なる周波数帯域で動物・鳥・昆虫が環境音と調和を取りつつ鳴き交わしコミュニケーションを取っているという説を唱える著者。魅力的な例をあげて自説を展開しながら、知らずにそれを阻害する文明のあり方に反省を促す。本書の肝は当該記述の環境音をネットで聴ける点(ほぼ全てが著者による録音)。環境音を音楽の祖とする著者。原始の人間が聴いたであろう環境音がどれほど情報量の多いものか。人間もまた調和を乱さず音の環境の一部になることが生死を分かつことだったのだろうと気づくと、音楽の峻厳さに思い至る。2017/07/28

暗頭明

4
良書。次のサイトで音源が聴ける: http://orchestra.msz.co.jp/? まず、「1-3」「5」「8-13」「16」「24」「28-30」「35」「47」「49」「54」はどうだろうか(なかでも「5」と「13」)。2014/01/26

井上岳一

3
自然がおりなす音に耳を傾けてみれば、そこには壮大な交響楽が展開している。蟻すらも歌うということを、この本を読んで初めて知った。世界は音に満ちている。全ての生物は音によって交信している。この世界の有り難さに気付く。PCやスマホで65の音源が聞けるようになっている。ビーバーの嘆きなど、聞いたことのない音源を聞くことができる。希有な読書体験。2014/07/10

spoonriver

2
ポピュラー・サイエンスの類なのですらすらと読める本ではないが、読んでいるとなぜか心が鎮まる。自然界には音(バイオフォニー)という濃密な構成要素があり、人類は太古の昔からそれとともに生きてきた。文字の向こうから、木々のざわめきや虫や鳥の声、風の音などが聴こえてきそうな一冊。出版社のサイトで、著者が世界じゅうで録音したさまざまなサウンドスケープを実際に聴くことができるのが素晴らしい。著者が録音した自然環境は、もはや半分は失われ、二度と生では聴けないのだという。身近なサウンドスケープにも耳を澄ませてみたい。2015/04/21

hideaki

1
昆虫、爬虫類、哺乳類は周囲の音(水、空気、地面、他の生物)を聞き、自分の発する鳴き声が効果的に伝播するタイミングと周波数をはかり鳴いているという仮説について書かれている。 40年に渡るフィールドレコーディングを経過時間と周波数でグラフ化し示されていて分かり易い。 そして人間の活動が自然のサウンドスケープを破壊していると主張している。 著者は映画音楽作家、スタジオミュージシャン(シンセ、ギター)の経歴を持ち、録音や音楽史に関するTipsも散りばめられている。2014/11/02

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