出版社内容情報
インドシナ半島奥地の少数民族は、なぜ急峻な山中に社会を築いたのか。ゾミア地域を中心に、国家からの逃避戦略を縦横無尽に論じる。
インドシナ半島奥地に広がる熱帯の高地=ゾミア。そこには、モン、アカ、チン、カレンといった少数民族が独自の文化を築いてきた。彼らはなぜこの辺鄙な山中に定着したのだろうか? 彼らの生業・文化は《国家からの逃避》を目指した結果だ、という大胆な仮説を展開する脱国家のグローバル・ヒストリー。
はじめに/山地、盆地、国家――ゾミア序論/国家空間――統治と収奪の領域/労働力と穀物の集積――農奴と灌漑稲作/文明とならず者/国家との距離をとる――山地に移り住む/国家をかわし、国家を阻む――逃避の文化と農業/話しことば、書きことば、文書/民族生成――ラディカルな構築主義的見解/再生の預言者たち/結論
内容説明
アカ、カチン、フモン、ラフ…様々な人々が独自の社会を築くインドシナ半島の奥地、ゾミア。この深い山中の文化や生業は、国家を回避する戦略だった。世界の自由民たちが息づくグローバル・ヒストリー。国家による管理の無力さを一貫して追及してきた政治学者・人類学者による、壮大なスケールの“もうひとつの国家論”。
目次
1 山地、盆地、国家―ゾミア序論
2 国家空間―統治と収奪の領域
3 労働力と穀物の集積―農奴と潅漑稲作
4 文明とならず者
5 国家との距離をとる―山地に移り住む
6 国家をかわし、国家を阻む―逃避の文化と農業
6+1/2 国承、筆記、文書
7 民族創造―ラディカルな構築主義的見解
8 再生の預言者たち
9 結論
著者等紹介
スコット,ジェームズ・C.[スコット,ジェームズC.] [Scott,James C.]
1936年生まれ。イェール大学政治学部・人類学部教授。農村研究プログラム主宰。全米芸術科学アカデミーのフェローであり、自宅で農業、養蜂も営む。東南アジアをフィールドに、地主や国家の権力に対する農民の日常的抵抗論を学問的に展開した。ウィリアムズ大学を卒業後、1967年にイェール大学より政治学の博士号を取得。ウィスコンシン大学マディソン校政治学部助教授を経て、1976年より現職。第21回(2010年)福岡アジア文化賞受賞
佐藤仁[サトウジン]
1968年生まれ。東京大学東洋文化研究所准教授。東京大学教養学部教養学科(文化人類学)卒業。同大学院総合文化研究科博士課程(国際関係論)修了。ハーヴァード大学ケネディ行政学大学院修士課程(公共政策学)修了。学術博士。第28回(2013年)大同生命地域研究奨励賞受賞。東南アジアを主たるフィールドに天然資源をめぐる政治過程を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
たまきら
松本直哉
PETE
デューク
-
- 和書
- 老年看護学講義ノート