出版社内容情報
ピープスといえば先ずは日記。しかし、王政復古や宗教対立など激動の17世紀英国において、彼はきわめて有能な官僚の責を果たした。人物と業績を描いた歴史物語。
内容説明
王政復古にペストやロンドン大火、オランダとの海戦そして賄賂と抑制のきかない女性関係―17世紀英国の転換期を自在に生きた能吏の言行を描くナラティヴ。
目次
1 『日記』のはじまり
2 オランダへの航海とチャールズの帰国
3 海軍書記官就任とその仕事
4 宗教・宗派と政治問題
5 実務学習とオランダびいき
6 英蘭海戦と敗戦処理
7 チャタムの敗戦と責任追及
8 各種委員会への対応と海軍改革
9 一六六八年三月五日の議会の質疑応答
著者等紹介
岡照雄[オカテルオ]
1930年福岡市に生まれる。1953年京都大学文学部卒業。現在京都大学名誉教授、県立福岡女子大学名誉教授・元学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
100
現代に残るピープスの足跡に関する記事が日経に出たので、詳しく知りたくて手に取った。ピューリタン革命から王政復古へ続く英国史の激動期にあって巧みに身を処し、有力者の情報屋として働いた男は有能な行政官僚でもあった。自分も儲けながら事実上の海軍大臣として組織が正常に動くよう努め、改めるべき部分は改める実行力は不可欠な実務者といえる。当時の社会や風俗を詳細に日記に記した観察力あればこそ、宗教や外交問題でごたつく時代にあって勝ち組となれた。歴史教科書に載る立場ではないが、国家とは無数のピープスに支えられているのだ。2024/05/01
Cazuo Tanaka
1
ピープス(1633-1703)は、身近な女性へのセクハラや業者からの賄賂で有名と冒頭にあったが、知らなかった。よって、この時代だからこそあり得た話(役職を売る)が沢山でてきた。うーん、こうやって財産を増やすのか?2014/06/02
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