気候変動を理学する―古気候学が変える地球環境観

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  • サイズ B6判/ページ数 287,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622077497
  • NDC分類 451.8
  • Cコード C1040

出版社内容情報

古気候学者と市民のコラボで生まれたサイエンスカフェの名講義を書籍化。100%本格派の科学をもとに気候変動の本質を説き明かす。

古気候学者と市民のコラボで生まれたサイエンスカフェの名講義を書籍化。古気候学とは、堆積物や氷床などに残る痕跡を手がかりに、太古の昔から現代までの気候変動史を復元し、地球環境を造形している壮大なメカニズムを明らかにする学問だ。その成果は地球の未来像を確実に再構築しつつある。第一線で活躍する研究者が100%本格派の科学をもとに、市民の素朴な疑問を丁寧に拾いつつ、気候変動の本質を説き明かす。本文2色刷り、図版98点(カラー図版7点)

はじめに──地球環境を理学する/第1回 地球の気候はどのように制御されてきたか/第2回 地球は回り、気候は変わる/第3回 CO2濃度はどのように制御されてきたか/第4回 急激な気候変動とそのメカニズム──「デイ・アフター・トゥモロー」の世界/第5回 太陽活動と気候変動──太陽から黒点が消えた日/サイエンスカフェを終えて/図版出典一覧

内容説明

科学的根拠を自ら一つ一つ読み解く過程にこそ、「理学する」手ごたえがある。サイエンスカフェ参加者の探求欲にも感染せずにはすまない、充実の地球システム学入門。

目次

第1回 地球の気候はどのように制御されてきたか(地表温度はどのようにして決まるか;全球凍結をめぐる謎)
第2回 地球は回り、気候は変わる(氷河時代と氷期‐間氷期サイクル;ミランコビッチの仮説)
第3回 CO2濃度はどのように制御されてきたか(産業革命以前のCO2濃度変動;CO2固定のプロセス;海洋に炭素を送り込む三つのポンプ;深層水循環tCO2濃度の変化)
第4回 急激な気候変動とそのメカニズム―『デイ・アフター・トゥモロー』の世界(急激な気候変動が北半球で起きていた;ダンスガード=オシュガー・サイクルに伴う変動の波及;古気候記録が語る地球の未来)
第5回 太陽活動と気候変動―太陽から黒点が消えた日(過去の太陽活動を知る;古気候と太陽活動)

著者等紹介

多田隆治[タダリュウジ]
1954年生まれ。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教授。専門は地球システム変動学・古海洋学・古気候学・堆積学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

81
本書は2012年に5回にわたって開かれた「環境サイエンスカフェ」(講師多田隆治東大教授)の書籍化。古気候学の知見に基づく地球環境観から、地球温暖化問題を考える。放射平衡とは?温室効果とは?氷期と間氷期サイクル、ミランコビッチ仮説、CO2濃度の制御、CO2固定プロセス、急激な気候変動とメカニズム、太陽活動と気候変動など、聴衆に質問しながら解説。地球温暖化の原因はCO2による温室効果とされるが、地球表層における炭素循環の流れと、海洋や植物などの炭素貯留の形態を考慮したCO2濃度の制御プロセスに注目する。⇒2024/12/29

Akiro OUED

2
あとがきに、各章の要点が簡潔にまとめられている。CO2は、地球温暖化に関係がないというエセ学者や、それを針小棒大化するマスコミに警鐘を鳴らす。温暖化抑制に最も効果があるのは、情緒的マスコミ諸君を理学で啓蒙することではなかろうか?この夏の熱さ、限界だ。全球凍結が涼しく見える。2019/08/13

みかん

2
4章5章の内容が凄く豊富でまだ消化しきれてない。古気候学の見地からの気候変動のがっつりした説明を学べるのは有り難い。後書きが地味にどぎついけどどうしてもいっとかなあかんことはっきり言うてて、まともな科学者を代表して矜恃を見せてる感じを受けた。2016/08/31

izumone

2
カフェの記録ということで内容が散漫になっているかと思ったが,構成やストーリーが驚くほどしっかりしていてむしろ「講義録」という印象。基礎的な内容から実に分かりやすく書かれていて,期待以上の満足が得られた。もう一度ノートを取りながら読み直したい。聴衆(参加者)のレベルが高すぎ。2014/01/31

まめ

2
[図書館]2012年2月から10月まで5回行われたサイエンスカフェの講義録。 気候変動というのは、地球全体が一様に暖かくなるとか寒くなるとかいうような単純なものではなく、むしろ、気候分布のパターンの変化として現れたり、変動の振幅や周期が変わったりといった形であらわれるのだということです。(P282)2013/04/20

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