出版社内容情報
20世紀後期の精神科診断学を揺るがした「境界例」とは、一体何だったのか? 概念の変遷と症例をめぐる七篇に書き下ろし論考を付す
内容説明
「境界例」「境界パーソナリティ障害」とは何か。このわかりづらく厄介な病像の概念の変遷と研究の昨今を、自身の50年にわたる臨床経験から描く。70年代、80年代の論文を主に書き下ろしを加えた8篇。
目次
境界例概念についての総説(一九八一)
分裂病と神経症との境界例(一九七四)―三例の症例報告
境界例の精神療法の試み(一九七五)
否定妄想について(須藤敏浩氏との共著、一九七六)―若い婦人の一例
不安・ゆううつ・無気力(一九八三)―正常と異常の境目に焦点をあてて
再びスプリッティングについて(一九八八)
自殺の臨床的研究(一九七八)―自殺予防のために
境界パーソナリティ障害(DSM)研究の昨今(二〇一二)―文献紹介を中心に
著者等紹介
笠原嘉[カサハラヨミシ]
1928年神戸に生れる。京都大学医学部卒業。精神医学専攻。名古屋大学名誉教授、桜クリニック名誉院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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