出版社内容情報
物語に潜む驚くべき建築空間! 和洋のロングセラーを再読の際、また子供に与える前にひもとくべきファンタジー・児童文学必携ガイド
内容説明
「ムーミン」「クマのプーさん」「家なき子」「ゲド戦記」ほかロングセラーの建築的フレームと細部を浮き彫りに―大人のためのファンタジー・児童文学案内。
目次
1 物語の地誌(衣裳箪笥の奥―C・S・ルイス「ナルニア国ものがたり」;いつか訪れた庭園―H・G・ウェルズ「塀にある扉」;未開の図書館―エリナー・ファージョン「ムギと王さま」 ほか)
2 住まいの辺境(不安定な家―シャーリイ・ジャクスン「山荘綺談」;ある隠れ家の記録―アンネ・フランク「アンネの日記」;内部のない建築―安部公房「箱男」 ほか)
3 追憶の文体(「ひとつづきの絵」の現在―石井桃子「幼ものがたり」;マナーハウス千年紀―ルーシー・M・ボストン「グリーン・ノウ物語」;透明あるいは闇―フィリパ・ピアス「トムは真夜中の庭で」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
37
建築系の編集に携わる筆者の文学の構造や世界観を古今の代表する児童文学書をチョイスし、紹介する。実に面白い。児童文学のファンタジーを大人が読む魅力が満載されている。フィリパ・ピアスの作品を読んでみたくなった。2019/11/24
yn1951jp
29
「建築」というより物語の中の「時空の記憶」を読み解いている感じ。児童文学にはあまり興味が持てなかったが、ブラッドベリ「10月はたそがれの国」、ウェルズ「塀にある扉」、筒井「遠い座敷」、シャーリイ・ジャクスン「山荘綺談」、フィリパ・ピアス「トムは真夜中の庭で」などは、意識して再読してみようと思った。若山滋が文学の中の都市や建築を論文や著作で発表しているので、こちらも再読してみようと思う。2014/11/19
かおりんご
26
大人向けの児童書紹介本。物語の中に描かれる土地や建物などについて考察されているのが面白い。読んだことのない作品もあったので、これをきっかけに読んでみたい。2021/09/22
ありんこ
4
「ハイジ」が好きなので、P27の「崇高なる山」を興味深く読みました。学童疎開で読み聞かせをしてもらったという思い出とともに綴られます。家なき子は水平、ハイジは垂直の物語という視点も面白いです。紹介されている本が多いので、読みたい本がたくさん増えてしまいました。2024/07/15
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4
タイトルにもなっているピアスの作品は名作っぽい。頭の中で文章から空間きっちり組み立てられる人うらやましいです、読みながら何度も挫折しました。2015/05/19
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