内容説明
演奏50周年。ピアノを弾く音楽家が、音楽を、作品を、作曲家をどうとらえ、思考しているのか。それを文章としての感興を持ちあわせつつ読むことのできる本。
目次
シベリウスのピアノ小品集
演奏するにあたって
劇的人間、ノルドグレン
シベリウスのピアノ音楽に寄せて
メラルティンの組曲「悲しみの園」
叙情の人、ヘイノ・カスキ
イルマリ・ハンニカイネンのピアノ音楽
シベリウス「五つのスケッチ」
シベリウス「八つの小品」
グラナドスの「ゴイェスカス」について〔ほか〕
著者等紹介
舘野泉[タテノイズミ]
1936年東京生まれ。ピアニスト。60年東京芸術大学首席卒業。64年よりヘルシンキ在住。68年メシアン・コンクール第2位。同年よりフィンランド国立音楽院シベリウス・アカデミー教授。81年より、フィンランド政府の終身芸術家給与を受け、90年以降は演奏生活に専念。96年日本と諸外国との友好親善への貢献に対し、外務大臣表彰受賞。06年シベリウスの音楽の普及に貢献したとして、フィンランドシベリウス協会より「シベリウス・メダル」を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yushi Suzuki
10
最初はこの本、どうせ読まないだろうと思いながら手に取りました。しかし、いつのまにか読み終わってしまった。こんな読書体験は久しぶりです。 ・ この本は舘野泉さんというピアニストが音楽について書いた文を、みすず書房の尾方邦雄さんが、選び集め、編んだ本です。 舘野泉さん(男性)は日本人でありながら、フィンランドに住み シベリウスなど 北欧の作曲家と向き合い続けて『フィンランドの国宝』と言われる方です。 この本を読んでよかったなと思うことは、最初から一冊の本を書こうと意図されていないということ。 2017/05/27
train_tk
4
芸術家らしい繊細で豊かな文章集。一人の演奏家が曲に向き合う際の真摯さが行間から伝わってくる気がした。北欧の作曲家の作品についてのコメントが多かった、シベリウスの小品など僕も取り組んでいきたい。2011/04/21
メルセ・ひすい
4
14-23赤32…`71に書かれた「シベリウスのピアノ小品集」から始まり、`07の「吉松隆の風景」まで、ほぼ40年にわたる文章は、自分のレコードのライナーノート、演奏会のプログラム、楽譜の編集に寄せて書いたものがほとんどである。読みながらさまざまなことが想い出された。…シベリウスの「フロレスタン」について書いたのは、`02.01.07 ヘルシンキ。前日まで南仏セヴラックのベレール夫人に間もなく設立予定の「日本セヴラック協会」の名誉会長を依頼した。…九日にステージで脳溢血を被ってしまった2010/12/04
rs
2
すごく良かった。マイナーな作品に触れているので、この本を頼りに開拓していくのも面白そう。2013/11/27