内容説明
舞台はハンセン病隔離の島。「支配と服従」の関係にとらわれてしまう人間の普遍的な物語として、韓国で百刷を超えて読み継がれてきた、実話に基づく傑作長編小説。
著者等紹介
李清俊[イチョンジュン]
1939‐2008。全羅南道長興に生まれる。ソウル大学文理学部独文学科卒業。1960年に李承晩政権を倒したいわゆる「四・一九世代」であり、戦後韓国文壇を代表するひとり
姜信子[キョウノブコ]
1961年横浜市生まれ。東京大学法学部卒業。作家。恵泉女学園大学客員教授。86年に『ごく普通の在日韓国人』でノンフィクション朝日ジャーナル賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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himawarisun6
3
韓国でのハンセン病施設が舞台になっている作品。ハンセン病というと差別をテーマにしていると思いがちだが、本作は支配と信仰に焦点が当てられている。読み終わるとタイトルに込められた意味がよく理解できる。 時代設定が古いうえ他国の文化の知識不足もあり難しかったが、内容の面白さで最後まで読むことができた。あまり有名な作品ではないかもしれないが、ぜひ多くの人に読んでほしいと思う。
フランソワーズ
2
ハンセン病者を隔離する韓国の小鹿島を舞台にした、支配する者と支配される者との物語。古今東西を分たずに共通する双方の理論が主要のテーマではあるが、ハンセン病を介して「差別」「被差別」双方の問題が人類の宿痾のごとく描かれている。→2024/04/06
ミネチュ
1
韓国全羅南道に実在するハンセン病隔離の島・小鹿島を舞台にした話。 ハンセン病に興味を持って、調べていたら、韓国にもハンセン病隔離病院・・・というか、隔離の島があることを知り、それが小説になっていることがわかったので早速読んでみたのです。 訳者あとがきにも書かれていますが、ハンセン病を題材にしていますが、支配と被支配がテーマの話です。そういう話は難しいですが、ストーリーとしてはおもしろく謎もちりばめられていてよいと思います。2016/05/26
kozawa
1
韓国におけるハンセン氏病の隔離と歴史の介入の物語。哀しい。2011/01/21
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
1
これは、信仰なきキリスト教者の物語か。2010/12/07