内容説明
医師と生活者のあいだに立とうとする柔らかい姿勢から生まれた7つの章。主題は、認知症、血液型性格学、煙草と酒、現代医学と中医学、インフルエンザである。
目次
1 認知症に手さぐりで接近する
2 認知症の人からみた世界を覗いてみる
3 血液型性格学を問われて性格というものを考える
4 煙草との別れ、酒との別れ
5 現代医学はひとつか
6 中医学瞥見の記
7 インフルエンザ雑感
著者等紹介
中井久夫[ナカイヒサオ]
1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qualia
4
俺は、この人が好き。この人のスタイルが好き。この人の文章を読むことで自分を再構築する。自分をゆだね、その自分が変えられるのを許す。それが心地いい。2009/09/03
katta
4
昨年読んだ本の中で、大収穫だった『臨床瑣談』の続編。精神科の大家でありながら、専門に陥ることなく、医学全般についての知識とアイデアを披露してくれている。一般人にとってどんな智恵が必要なのか分かった上でのきちんとしたサジェッションが嬉しい。身近にこういう知人がいたらいいなあ。2009/09/01
名前氏
1
アルコール依存症の人の回復過程にあった、病院内で権力を掌握せずヒラでいることの大切さについての箇所に「人を見下すことは自分の自尊心の低さを苦い思いで味わい直すことである。本人にはそう感じるだけのまともさはある。」という文があって、確かに威張り散らさないと自分を保てない状態って自尊心が低下しているよなあとすごく納得させられた。 認知症の人の自尊心を損なわないケアを心がけようというメッセージとか、別に医者じゃなくてもアルコール依存症とか認知症の人と関わることはあるのですごく役に立つ本だと思う。 2020/04/17
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
1
終活在庫処分キャンペーン対象本2017/07/04
tekesuta
1
中医学の見立て方というのは近代医学の隙間を補っているみたいだな。ストレス説はよく膾炙しているけれども、中医学はもっと具体的にその見立てを確立してきたわけで、これをうまく利用できると不定愁訴みたいなものに結構効果がありそうに思える、とか素人考えなんですけど、そんなことを考えてしまうくらい、随所に光を見出せるような言葉が溢れてる。 2013/01/14