人種と歴史 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 116p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622074298
  • NDC分類 389
  • Cコード C1010

内容説明

1952年、ユネスコが世界の人種問題に関する小冊子のシリーズを刊行する。その1冊としてレヴィ=ストロースが書いた、初期の論文。西洋文化の位置付け、歴史的時間の偶然的性格を、専門領域を超えて議論し、明晰かつ的確な言葉でその問題意識を伝える。その視野の拡がりは、個々の文明を相対化する力を持ち、21世紀を生きるわれわれにも強く訴えかけてくる。

目次

1 人種と文化
2 諸文化の差異
3 民族中心主義
4 古文化と原始文化
5 進歩の観念
6 停滞的歴史と累積的歴史
7 西洋文明の位置
8 偶然と文明
9 諸文化の協働
10 進歩の二重の方向

著者等紹介

レヴィ=ストロース,クロード[レヴィストロース,クロード][L´evi‐Strauss,Claude]
1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935‐38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。1941年からニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチで文化人類学の研究に従事。1959年コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設。1982年退官。アカデミー・フランセーズ会員

荒川幾男[アラカワイクオ]
1926年神戸に生まれる。1951年東京大学文学部哲学科卒業。元東京経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

35
【始原へ8】1952年にユネスコが企画した反人種主義キャンペーンの叢書の一冊。本書には言及はないが、レヴィ=ストロースは当時ユネスコと関係が深く同「人種に関する専門家会議」の委員を務め、のち同「社会科学国際委員会」の事務局長を務めている(渡辺公三氏【始原へ7】による)。すでに構造人類学の大著「親族の基本構造」(未読だが凄い本らしい)を公にしているが、本書は構造人類学というより、彼らしい歴史観が提示されていることが特徴だろう。そして流石だと思った。■生物学次元の差異と、知的・美学的・社会学的差異との↓2021/02/18

白義

12
短いが濃密な名著。文化間の差異、多文化の問題や歴史認識と進歩の問題を考える上で絶対外せない一冊だ。歴史は一直線に進歩してきたという社会進化論を批判し、歴史の進歩とは結局のところそれを語る側のパースペクティブに依存するということをいろいろな角度から説いている。構造人類学者としての洞察から、多文化による一つの人類史への協同と、文化間の差異の重要性を両立させる議論の運びは圧巻。文化人類学自体の見方も学べる分かりやすいエッセイになっていてオススメの一冊2012/03/30

きいち

4
言葉・論理におけるレヴィストロースの戦略性が際立つ一冊と感じた。野蛮人という人が野蛮人、からはじまり、文化を累積的文化と停滞的文化に分けて交流が累積を生むとしたうえで(ここまでは西洋至上主義者だって同意するはず)、「本質的に停滞的な文化なんてない」、なんて(このあたりの議論は、よりディティールを突き詰め「銃・病原菌・鉄」で展開してるな・・)。そして、ラスト、「寛容というのはダイナミックな態度」というのにしびれた。2012/04/14

roughfractus02

3
熱い社会はエネルギーを大量消費して自らを維持し、世代を超えた資本の蓄積を作るが、冷たい社会は少量の生産消費を行なうゆえに世代に限定された資本を蓄積する。西洋社会の優越を他の社会も受け入れざるを得ない状況を、エネルギー問題による資本の蓄積に見る著者は、その未来をエントロピーの法則を借りつつ、熱い社会自身の冷却の方向に見る。その際、西洋文明が作り出した一方向的な歴史は拡散し、この歴史から生じた進歩を説明する社会進化論の背景にある同一性と差異は、蓋然的な確率科学としての変異と偶然の進化論に変わる、と本書は語る。2018/08/14

メルセ・ひすい

3
15-49 50 新装版!人種と文化 諸文化の差異 民族中心主義 古文化と原始文化 進歩の観念 停滞的歴史と累積的歴史 西洋文明の位置 偶然と文明 諸文化の協働 進歩の二重の方向 クロード・レヴィ=ストロースの業績 ジャン・プイヨン著. 抄録 1952年、ユネスコが刊行した小冊子シリーズのうちの一冊として書いた初期の論文。西洋文化の位置付け、歴史的時間の偶然的性格を、専門領域を超えて議論し、明晰かつ的確な言葉でその問題意識を伝える。 2011/09/01

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