内容説明
オカルト小説『ゴーレム』、解放者ピネル、妊婦ザーロメ、グリージンガー、ウェルニッケ、平安期のものぐるひ、ノイマン…現代精神医学の礎を築いたクレペリンへと至る歴史を、精神医学者が叙述する。人間をめぐる深い洞察から生まれた、古典への導きの書。
目次
オカルト小説『ゴーレム』
カントの『人間学』
ハインロート―精神分析の先達
日本の古い精神医学書
うたかたのグッデン
ラッシュ―アメリカ精神医学の父
アウテンリートとヘルダリン
解放者ピネル
エスキロール―ピネルの後継者
妖婦ザーロメ―フロイトの愛弟子
進化と退化―ジョン・ヒューリングズ・ジャクソン
アドルフ・マイヤー―アメリカ精神医学の長老
グリージンガー―「精神病は脳病」か
『魔女の槌』―悪魔憑き
ウェルニッケ―精神病は脳病
平安期のものぐるひ―『医心方』
ノイマン―単一精神病論
クレペリン―現代精神医学の曙
著者等紹介
西丸四方[ニシマルシホウ]
1910年生。1936年東京大学医学部卒業。都立松沢病院、東京女子医専講師を経て、信州大学名誉教授、愛知医科大学名誉教授、元北信総合病院顧問、2002年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かさい
1
洋の東西を問わず、精神科的大家や古くから精神疾患が存在したことを記す文献を持ち出してその内容を簡潔にまとめたような内容。 1989年に書かれたということもあり、使われる用語は現代的ではないものもありながらもそれでも多くの知見が得られた名著でした。 漢方は味や匂いで効能が似ていることや、クレペリンやニッスルが同時代人でその師匠がグッデンでノイシュヴァンシュヴァイン城を建てたフリードリヒ2世の死と関連していることとか、歴史を照らして精神医学の変遷が分かりやすく並べられていたところがよかったです。2025/10/23




