ヒトラーを支持したドイツ国民

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  • サイズ A5判/ページ数 324,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622073437
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0022

内容説明

「同意」したことと「強制」されたこと。ゲシュタポ調書と当時の新聞雑誌から、国民の積極的な協力をたんねんに実証する「国民の責任」論の決定版。ドイツ政府が独語訳の廉価版を作製・配布。

目次

1 ワイマールとの訣別
2 警察司法
3 強制収容所と新聞報道
4 戦争の影
5 社会的アウトサイダー
6 不法とユダヤ人
7 外国人労働者にたいする特別「司法」
8 内部の敵
9 市民の庭先に出現した強制収容所
10 第三帝国末期の独裁制と国民

著者等紹介

ジェラテリー,ロバート[ジェラテリー,ロバート][Gellately,Robert]
1943‐。東カナダのセント・ジョンズ生まれ。ニューファウンドランド州メモリアル大学でドイツ史とロシア史専攻。ロンドン大学経済政治学院(LSE)で博士号を受ける。コーネル大学、西オンタリオ大学を経て、マサチューセッツ州クラーク大学でホロコースト特別講座を担当(1998‐2003)。現在はフロリダ州立大学教授・オクスフォード大学客員教授。専門はジェノサイド比較論、欧州人種主義思想、欧州独裁制比較論、ホロコースト、冷戦

根岸隆夫[ネギシタカオ]
フランス政府給費留学生としてパリの国立政治学院で欧州政治史を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ベイス

67
ドイツ国民はどれ位ナチ独裁を支持していたのか。「洗脳されていた」「秘密警察やSSへの恐怖で反抗できなかった」といった通説への反証を試みた意欲的な書。日常の中に収容所があり、リンチがあり、ユダヤ人迫害があり…多くのドイツ人はそれによくて無関心か黙殺、一部は(多くは?)加担した、との例証が行われる。ただ手がかりが少なく学術書としては説得力に欠ける。一部なのか多くはなのか、そこが最後までわからない。ナチ下の世論調査をどこまで信じていいのか、市民による密告の多さも、全体像が分からない。そして訳のレベルが低い。2023/03/30

キムチ

53
この本を面白いと言ってはいけないのだが・・何度も行きつ戻りつして、恐るべき長い時間をかけて読んだ。読みにくいことこの上なし。。「プロパガンダとポピュリズム、安定した治安の元の政権を望む一般大衆」の怖さがじんわり足元からせり上がってきた。かつて習ったのは「躍らされた一般大衆 ナチスの厳しい監視下の元の生活」だった。21世紀になり、ナチの資料が読み解かれ、スピーディに分析が進み、今ではそんな論を信じる人が少ないとか。ワイマールと比してヒトラーを選択した「ドイツの大衆」手にしたはずの民主主義が歪んでいる事すら・2019/03/12

コリエル

8
ヒトラー率いるナチ党が、いかにしてドイツ国民からの支持を得てその敗戦にまで至ったのかを、著者がゲシュタポの命令文書や当時の新聞雑誌を丹念に精査分析して解説したのが本書である。ヒトラーたちはドイツ国民をひたすらな恐怖によって隷従させたのではなく、ドイツ国民たちは恐慌と失業から国を救ったヒトラーを積極的に支持し、民族主義に順応して多民族を圧迫し、時には隣人家族をすら密告する強かさを持っていたことが綴られる。これはドイツゲルマン民族だけに特有の異常事態であったのか? 違う。何時どんな国でも起こり得る教訓なのだ。2015/03/11

tellme0112

6
密告あたりが一番、怖かった。ナチを支えたのは一般市民の密告。市民は、個人的なトラブル、虐待を解決してほしくて、当局の干渉を望んで密告した。復讐などの感情的理由で利用され、またナチもそういう密告に支えられていた。障害者への「安楽死」も、最近の出産前診断を思わせた。強制収容所は住宅近くにあって、何が行われていたか知らないはずはない。市民はナチに、恐怖で支配されていたとか、宣伝に騙されていたという言い訳を許さない。では、日本はどうであったか?今、どうか?2013/08/10

Tatsuhiko

5
ヒトラーがナチス政権を成立させた1933年から敗北する1945年まで、一般のドイツ人が暴走する司法・警察権力といかに靠れ合っていたかを明らかにしている。当初ユダヤ人は主対象とされず、ヴァイマル共和政の混乱を招いたとして共産主義者たちなどが狙われた。ヒトラーはドイツに秩序と仕事をもたらし、世論を慎重に味方につけ、権力は次第に日常生活に侵入した。人々はそれをメディアや日常風景から知っていたし、それを利己的に利用しようとさえしたが、それはヒトラーに対する間接的な支持だった。権力と人間の暗い関係を覗き見る一冊。2015/12/03

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