出版社内容情報
アインシュタインとともに20世紀科学をリードした巨人の決定的伝記。綺羅星のごとき物理学者を育て上げたドンが果たした役割とは
内容説明
原子がどのようにできているかを理解した最初の人物、量子現象を理解するのに不可欠な物理学の哲学的基礎に修正を迫った中心人物、戦後世界の科学者の社会的責任を指導した人物についての決定的伝記。優れた素粒子論研究者であり、ボーアの共同研究者でもあったパイスの筆により、20世紀の科学界と国際政治に大きな足跡を残した巨人の全体像がここにあざやかに浮かび上がる。第1巻は1920年代までを収録。
目次
1 不屈のデンマーク人
2 「デンマークに私は生まれた…」
3 少年時代
4 20世紀へ向かって―古代の光学から相対論へ
5 自然は飛躍する―量子物理学のルーツ
6 学生時代
7 ボーア、学位取得後(ポスドク)の研究で英国へ
8 原子の父、ボーア
9 いかにしてボーアは確固たる足場を確保したか
10 「それは希望の春であり、絶望の冬であった」
11 ボーアとアインシュタイン
12 重大な使命を帯びた現代のヴァイキング
著者等紹介
パイス,アブラハム[パイス,アブラハム][Pais,Abraham]
1918‐2000。ユダヤ系オランダ人としてアムステルダムに生まれる。アムステルダム大学、ユトレヒト大学で物理学を学ぶ。1941年、博士号を取得した直後、大学からのユダヤ人追放令にともない潜伏生活に入り、ドイツ占領下の苛烈な時代を辛うじて生き抜いた。戦後ただちにデンマークのニールス・ボーア研究所に留学し、ボーアの助手を務めた。1947年渡米し、アインシュタインのいるプリンストン高等研究所所員となる。1956年、米国籍取得。1963年以降、ロックフェラー大学教授。この間、優れた素粒子論研究者として大きな業績を収めたが、1970年代には、現代物理学史に転じ、自らの研究生活と豊かな交友経験にもとづく多くの著作を書いた
西尾成子[ニシオシゲコ]
1935年、東京に生まれる。1958年、お茶の水女子大学理学部物理学科卒業。日本科学技術情報センター勤務を経て、1963‐2005年、日本大学理工学部勤務。日本大学名誉教授(理学博士)
今野宏之[コンノヒロユキ]
1945年、横浜に生まれる。1972年、上智大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了、1974年、米国ウィスコンシン大学大学院科学史学科修士課程修了。1980‐81年、カリフォルニア大学(バークリー校)科学技術史センター客員研究員。鹿児島純心女子短期大学助教授を経て、現在、別府大学食物栄養科学部教授(理学博士)
山口雄仁[ヤマグチカツヒト]
1955年、東京に生まれる。1984年、日本大学大学院理工学研究科物理学専攻博士課程修了。現在、日本大学短期大学部(船橋校舎)一般教育教室教授(理学博士)、特定非営利活動法人「サイエンス・アクセシビリティ・ネット」副代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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