内容説明
狂おしい愛と情念に満ちたロマンスなのか、それとも、とりとめのない悪夢なのか?ヒースクリフとキャサリンの謎をめぐって展開する“読み=批評”の歴史。
目次
はじめての『嵐が丘』
形式への関心
手法の発見
神話と精神分析
マルクス主義批評
フェミニズム批評
構造主義的批評
不確定原理
ポスト構造主義
テクストの外へ―カルチュラル・スタディーズ
テクストの外へ―『嵐が丘』を書き直す
テクストの外へ―『嵐が丘』を映像化する
著者等紹介
川口喬一[カワグチキョウイチ]
1932年北海道に生まれる。筑波大学名誉教授(文学博士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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moonlight-yuca
2
「わたしはすなわちヒースクリフ」というテーゼを持つ「嵐が丘」・・・狂おしい愛と情念の物語。「嵐が丘」というテクストを使った数々の評論を読み解きながら、文学理論の変遷を読み解いていくさまはスリリングだ。ヒースクリフとは、なんだったのか。やっぱり永遠の謎です。2013/03/19
ubon-ratchat
2
「翻案は解釈行為」という考え方に深く頷く。そして、これを読むと『嵐が丘』観が激変します。原作も読みたくなるし、一部の映画も観たくなる!2009/08/25
ローリングエルボー
1
マルクス主義批評だけを読めばいい2017/10/21
すむるとろん
1
先週土曜に比較文学学会の例会で、廣野由美子氏の『嵐が丘』の荒野についての考察を主軸に置いた研究発表を拝聴したのがきっかけで、吉田喜重の映画版にも言及している本書を借りた。『嵐が丘』の批評・解釈の方法論の変遷を、文学理論の歴史に照らし合わせながら解説したもの。映画などの翻案にも触れ、この小説が様々な解釈を引き出す素材をいかに潤沢に内包しているかを伝える。続編・パスティーシュ小説の紹介が面白かった。ちなみに私はワイラーの映画版が小説に先立っていたため、二代目の物語の存在に驚いたクチ。影響力の大きさたるや。2014/04/22
ra0_0in
1
文学理論の歴史的・理論的変遷を的確におさえ、それがたった一つのテクストをどれほど豊かな地平へと広げることができるかを楽しく実証している。理論入門として使えるかは分からないが、少なくとも「まともな文学研究」とは、ここに示された様々な解釈の方法を同時に扱いながら、先行研究の視点を吟味し、取捨選択し、自らの解釈を提示するものでしかあり得ないだろう。そしてそのような地道な作業にいくらでも耐えうる豊穣なるテクストを人は文学と呼ぶのであり、『嵐ヶ丘』と1世紀半を越えて紡がれる幾多の研究は、まぎれもない人類の宝である。2012/12/25
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