内容説明
星の運行や四季の変遷のリズム、波の運動や植物の生長のリズム、動物の身体運動のリズム、生理のリズム、生活のリズム、音楽のリズム、色彩・文様のリズム、線のリズム、詩のリズム…われわれはリズムの世界に住んでいるが、そのリズムとは、さて何であるのか?それは周期的な反復現象であるが、同じ意味で使われる拍子(Takt、タクト)とはどう違うのか?ここに「生命」と「精神」についての独創的な思想家クラーゲスの真の思索と探究がはじまる。その魅力、若さ、強さ、深さ―彼の精神の火の点じられるところ、すべては明晰な秩序に置かれる。彼は人を豊かにし、より多くの体験を与える。
目次
第1章 現象研究の意味について
第2章 拍子の仮現性
第3章 分節的持続性としてのリズム
第4章 意識と体験
第5章 リズムの打拍可能性について
第6章 反復と更新
第7章 リズムの空間・時間性
第8章 対極的持続性としてのリズム
第9章 拍子の生命内実について
第10章 展望
著者等紹介
クラーゲス,ルートヴィヒ[クラーゲス,ルートヴィヒ][Klages,Ludwig]
1872‐1956。ドイツのハノーファーに生れる。初めライプツィヒ大学に、後にミュンヘン大学に学ぶ。ニーチェの影響を受け、その思想を伝えて心(魂)と精神との対立関係を説くところから独自の性格理論を展開する。1897年ミュンヘンに「ドイツ筆跡学会」を設立、「筆跡学雑誌」の編集執筆にあたる。1905年には「表現学ゼミナール」を開設、第一次大戦勃発まで隆盛を極めた。22年と23年に彼の生哲学の中核をふくむ『宇宙生成的エロスについて』と『リズムの本質について』を発表し、29年には主著『魂の対抗者としての精神』が刊行された。終始民間学者として活躍した
杉浦實[スギウラミノル]
1932年大阪府に生れる。1962年大阪市立大学大学院修士課程修了。専攻ドイツ文学。現在九州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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