内容説明
「人間の闘争が避けられないものならば、せめてことばの誤解のせいでないように。辞書はそういう社会の願望に応じている」(R・バルト)。言語の構造に潜む精神性に迫ったフランス語学者の仕事。
目次
1 パリから
2 デカルトとパスカル
3 辞書をめぐって
4 仏学事始
5 思い出
6 対談三篇
7 言語について
著者等紹介
三宅徳嘉[ミヤケノリヨシ]
1917‐2003。東京に生まれる。1941年、東京大学文学部(フランス文学科)卒業。卒論は「言語活動と時間」。同年大学院。1951年、東京都立大学(人文学部)助教授、1968‐78年、教授。なおこの間、1951年9月から1954年3月、フランス政府招聘給費生としてパリ留学。1978‐88年、学習院大学(フランス文学科)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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奥澤啓
21
三宅徳嘉。戦時中の東大仏文科の渡辺一夫門下生である。加藤周一の『羊の歌』の「仏文研究室」に登場する。加藤はその博学と明晰な頭脳に驚嘆する。戦後の仏語学を牽引した。『スタンダード佛和辞典』の発音解説と表記を担当した。仏語研究に生涯を捧げた。言語学やデカルト等の翻訳もあるが、生前、単著を出す事はなかった。従って我々が氏の文章を知るには本書しかないといえる。私的手紙、仏語研究、著作と年譜等を収める。「碩学」という名に値する、学問に打ち込んだ生涯であった。身が引き締まする思いがする。これから、じっくり読みたい。2019/05/18
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