内容説明
ワルシャワ・ゲットー。およそ50万ものユダヤ人が壁の内側に閉じ込められ、市民であること、人間であることを否定されていった。恐怖の3年間の最後の時期、住民のほとんどがゲットーから殺戮収容所に送りこまれてしまった頃、武器を手に抵抗が始まった。ドイツ軍は住民を虐殺し、ゲットーは壊滅させられた。歴史家リンゲルブルムはゲットーの目と耳になり、この破局の物語を命を賭して記しつづけた。街路で出会った人、密輸者、裏切り者、子供たち…さまざまな事件や経験の断片から、ゲットーがみずからの姿を浮かび上がらせてくる。このノートはひそかに地下深く埋められ、リンゲルブルムは戦後を見ることなく処刑された。戦後、ノートはゲットーの廃墟から発掘され、そこにはゲットーの歴史と生活のすべて、人間の偉大さと卑小さのすべてが、完全なリアリティをもって映し出されていたのである。滅ぼされた人々の息づかいを克明に伝える、類のない貴重な歴史的証言。
目次
ゲットー以前
ゲットーに移る
ゲットー生活
ゲットーの壊滅
著者等紹介
リンゲルブルム,エマヌエル[リンゲルブルム,エマヌエル][Ringelblum,Emmanuel]
1900年11月21日東部ガリツィアの町に生れる。1919年ワルシャワ大学に入学、民衆教育の実践家、社会奉仕家、政党員としても活動する。1927年博士論文「ワルシャワにおけるユダヤ人の歴史―1527年の追放まで」を完成。1927‐39年ワルシャワのギナジウムで歴史を教える。この間、博愛主義的ユダヤ人組織であるアメリカ合同分配委員会の幹部として働く。1939年8月、世界シオニスト会議への一代表としてジュネーヴに滞在中、ドイツ軍動員の報に接し、歴史家の使命として同時代史を記録することを決意、ワルシャワに帰る。1939年10月記録保管所の礎石をおき、史料を収集する。1943年1月抵抗運動の指導者の一人として、ゲットーの武装蜂起に加わる。1944年3月7日妻と息子そして地下生活を共にした人々とともに処刑される
大島かおり[オオシマカオリ]
1931年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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