内容説明
ヨーロッパ文明は世界の歴史のなかで、どのように位置づけられるのか。フランス革命とナポレオン戦争という、大きな歴史的事件を経験したギゾー。ソルボンヌ大学の教授を務め、また七月王政期には首相として国政を担った歴史家が、その問いに答えた講義録。ローマ帝国の崩壊から始まり、キリスト教、ゲルマニア人、アラビア人が及ぼした影響、封建制度の確立からブルジョワジーの勃興へ、そして宗教改革を経てフランス革命ヘ。その鮮やかな語りは、政治家としての現実的な視点と、学者としての豊富な知識に裏付けられ、七月革命前夜のパリに熱狂的に受け入れられた。福沢諭吉の『文明論之概略』の成立にも影響を与えた本書は、「文明」という概念が問われている現在、われわれに多くの示唆を与えてくれる。
著者等紹介
ギゾー,フランソワ[ギゾー,フランソワ][Guizot,Francois‐Pierre‐Guillaume]
1787‐1874。南仏の町ニームに生れる。1812年よりソルボンヌ大学に歴史を講じ、1830年内務、文部の大臣となり、1840年より1848年2月まで内閣主班として国政を担当、王政崩壊と共に政界より引退し学究生活に帰る
安士正夫[ヤスシマサオ]
1912年北海道小樽に生れる。1937年東京大学仏文科卒業。元東京都立大学人文学部教授。1970年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
多様な葛藤から自由が生じた 帝国崩壊が教会誕生の環境に 蛮族侵入で個人独立の意識 自由原理と共通法制の遺産 封建制は内面発達に影響 封建制は秩序保障を構築できず 精神界と俗界は別物 権力分離が大きな効果 教会は専制的立場 自治権を持つ都市 安全回復で主権獲得 十字軍は全ヨーロッパ協力の初事例 文明の主要転換期 精神解放と生存拡大 外交が国家間紐帯に 知的革命としてのルネサンス 大危機中の宗教改革 有力化した未承認思想 成功国では精神解放 宗教的政治的英国革命 全局面対応のクロムウェル 制度欠如の自由と権力2025/04/27
渓流
1
骨が折れる。2014/09/03
サアベドラ
0
内容は面白いけど、文体がけっこー難しい。訳が古いことも手伝ってので読むのに非常に苦労した。2006/10/01