ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 260,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622071945
  • NDC分類 723.37
  • Cコード C1022

内容説明

イタリア・ルネサンス期最大の画家の一人に、ピエロ・デッラ・フランチェスカがいる。“図像表現の社会史”研究の一環として、ギンズブルグは、この最も謎の多いといわれる画家ピエロの三つの作品の分析に挑む。作品の注文主、モデルそして制作年代を解き明かそうとする。それは美術史研究の領域に足を踏み込むことでもある。既存の研究書が渉猟され、それらの研究を踏まえて、ピエロ個人を取り巻く状況を少しずつ明らかにしながら、ヴァチカンも巻き込むルネサンス期イタリアの大きな状況との関係を次第に明らかにしてゆく。人文主義グループ、パトロンたち、フィレンツェ公会議…、ピエロの作品と時代との関係を突き詰めて行くギンズブルグの手法は、あたかも難事件を前にしたシャーロック・ホームズに似て、読む者をあきさせない。そしてギンズブルグは、そのモデル、パトロンだけでなく、正確な制作日時と作品に込められたメッセージをも読み解き、ピエロの相貌とルネサンス期イタリアの姿をわれわれの前に鮮やかに提示する。ギンズブルグ史学の見事な成果。

目次

第1章 キリストの洗礼
第2章 アレッツォのフレスコ画連作
第3章 『鞭打ち』
第4章 『鞭打ち』再考
結論
補論1 ジョヴァンニ・ディ・フランチェスコ、ピエロ・デッラ・フランチェスカおよびアレッツォのフレスコ画連作の制作年代
補論2 『鞭打ち』―推測と論駁
補論3 ベレンソン、ロンギおよびピエロの発見(一九一二‐一四)
補論4 絶対的年代推定と相対的年代推定―ロンギの方法について

著者等紹介

ギンズブルグ,カルロ[ギンズブルグ,カルロ][Ginzburg,Carlo]
1939年、トリーノでロシア文学者の父レオーネと作家ナタリアとの間の長男として生まれる。ユダヤ系ロシア人の血を引く、ピサの高等師範でD.カンティモーリとA.フルゴーニに歴史を学ぶ。長らくボローニャ大学で近世史講座の教授職にあったのち、現在は米国のUCLA(カリフォルニア大ロサンジェルス校)で教鞭をとる

森尾総夫[モリオフサオ]
1934年、大阪生まれ。1965年一橋大学大学院経済学研究科(西洋経済史)修士課程修了。現在武蔵野音楽大学助教授、専攻はイタリアの中世・近代史、特に宗教社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ユーディット

1
初めて読んだ時には本書に出てくる作品全てを見ていなかったので、方法論が分かった程度だった。今回大半の作品を見て内容を実感することができた。極めてイタリアらしい文章を翻訳するのがどれほど大変か見て取れる。要するに日本語では分かりづらい箇所が幾つもあるが、オリジナルは素晴らしいと再確認した2011/03/22

takao

0
ふむ2025/05/17

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