内容説明
北米先住民社会、とりわけモルガン『古代社会』やエンゲルス国家論などで母権制社会の代表的事例として知られるイロコイ連邦の存在が、アメリカ独立革命にいかに影響をおよぼしたか。また合州国憲法制定において、フランクリン、ジェファーソンら建国の父祖が、先住民社会の自治理論をいかに「新世界」由来のヨーロッパ政治思想に融合させていったか。アメリカ史の闇に埋もれていた文化的転移のプロセス、世界史的実験のありようを、一次史料を駆使して解き明かした驚異の書。
目次
アメリカの声―植民地が見た土着の自由
アメリカ土着の民主主義―植民地のアメリカ人が見た先住民社会
自然人、不自然な土地へ―アメリカの“王たち”によるイギリス評(一六〇〇‐一八〇〇年)
「未開人」を気高くする―ヨーロッパの自然権哲学におけるアメリカ先住民
荒野の務め―ロジャー・ウィリアムズと「魂の自由」
白い根は広がる―植民地の団結を迫るイロコイ連邦
モホーク、斧、税金―革命の序章としての象徴的アイデンティティ
新たな一幕―フランクリン、ジェファーソン、ペインの著作に見るアメリカ先住民像
アメリカ的融合―聖タマニーの息子たち、あるいはコロンブス教団
新しい国に大協議の焚火をともす―アメリカ先住民の自由と合州国憲法
持続する理念―イロコイの自由は十九世紀以降どう受けとめられたか
結論
著者等紹介
グリンデ,Jr.,ドナルド・A.[グリンデ,JR.,ドナルドA.][Grinde,Jr.,Donald A.]
1946年生まれ。ニューヨーク州立大学バッファロー校アメリカ学主任教授
ジョハンセン,ブルース・E.[ジョハンセン,ブルースE.][Johansen,Bruce E.]
1950年生まれ。ネブラスカ大学オマハ校コミュニケーションおよびアメリカ先住民学、W・カイザー研究教授
星川淳[ホシカワジュン]
1952年東京生まれ。作家、翻訳家。2005年12月よりグリーンピース・ジャパン事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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