内容説明
単行本未収録の対談・座談を精選、その全体像を浮き彫りにする集成、全2巻。第1巻は、司馬遼太郎、山田風太郎の時代小説は明治をどうとらえたか?明治の言文一致体、近代小説はいかに生まれ、何を切り捨てたか?馬琴『八犬伝』再評価に伴い、文学史はいかに書き換えられるべきか?時代と表現、政治と文学の錯綜を解きほぐす「明治カルチュラル・スタディーズ」。井上ひさし、大岡昇平、尾崎秀樹、川村二郎、種村季弘、野口武彦、橋川文三ほかとの対話。全14篇。
目次
1 小説と史実(歴史小説の周辺;山田風太郎と“明治もの”の魅力;一葉についての〈噂〉)
2 近世から近代へ(馬琴、幻想と伝奇の物語;世界と均衡する言語空間―幕末から明治期の日本語;日本文学の「近代」とは何か)
3 言語とメディア(下流民権の高揚と屈折;明治初年代の可能性;政治小説と明治二十年代の文学;近代文学成立期の言語とメディア)
4 文学の「原郷」(闇なる明治を求めて―インタビュー;境界線上の文学―鏡花世界の原郷;永井荷風の世界;日記・歴史・文学―日本人と日記)
著者等紹介
前田愛[マエダアイ]
1931年生まれ(本名よしみ)。東京大学人文科学研究科博士課程修了。元・立教大学文学部日本文学科教授。著書『都市空間のなかの文学』(1982、筑摩書房。芸術選奨文部大臣賞)ほか。1987年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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