内容説明
徂徠の江戸から漱石の明治を経て西脇順三郎の現代まで、「天」と「ユーウツ」をキーワードにして文学=文明の歴史を問い直す。とりわけ、中心をなす漱石論は、息を詰めるように、ひたすら作品を読み込むことによってその核心に迫った、ユニークな作品=作家論である。いよいよ「暗」を増すかに見える時代にあって、未来の「明」を模索・構想した詩人による渾身のメッセージ。
目次
序詩 通天橋
いみじき笛は天にあり
江戸と西洋
『吾輩は猫である』と漱石俳句
鴎外と漱石
中村真一郎説、明治の作家の日本語との苦闘
明治二十年代の俳句を読む
『草枕』とはどういう小説か
久しぶりの『草枕』
『それから』の代助と鈴木志郎康の初期の詩〔ほか〕
著者等紹介
飯島耕一[イイジマコウイチ]
1930年岡山に生まれる。1952年東京大学文学部仏文科卒業。國學院大学教授を経て、2000年3月まで明治大学教授。1953年詩集「他人の空」(ユリイカ)。1955年シュルレアリスム研究会をつくって数年間続いた。詩集に「ゴヤのファースト・ネームは」(高見順賞)、「夜を夢想する小太陽の独言」(現代詩人賞)、「アメリカ」(読売文学賞・詩歌文学館賞)などがあり、他に小説「暗殺百美人」(ドゥ・マゴ文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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