内容説明
うつ病患者の自殺衝動を抗うつ薬が強める―このショッキングなリスクの詳細と、それが最近まで十分に認識されなかった原因を、精神薬理業界の深部から告発する、SSRIユーザー必読の証言。
目次
序章 プロザック以前
第1章 テイクワン
第2章 ケンタッキーで起こったこと
第3章 初めての証言録取
第4章 市場の力
第5章 太平洋断層地帯
第6章 カフカの城
第7章 世紀末の実験
第8章 話はますますややこしく
第9章 訴訟社会の医事紛争
第10章 「プロザックを食べたらいいじゃないの」
著者等紹介
ヒーリー,デイヴィッド[ヒーリー,デイヴィッド][Healy,David]
医学博士、精神科認定医。精神医学・精神薬理学史家。現・カーディフ大学精神医学部ウェールズ副部門教授。英国精神薬理学会(British Association for Psychopharmacology)の元事務局長
田島治[タジマオサム]
医学博士。現・杏林大学保健学部教授(精神保健学)、同医学部精神神経科兼担教授。専門は臨床精神薬理学
谷垣暁美[タニガキアケミ]
翻訳者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
圓子
6
「なに、SSRIだと?読みたい!」ということでお譲りいただいた本。ありがとうございました。医学も製薬も司法もこの本の関係する全方位でずぶの素人ですので、結論は結局どうなったのか掴みそこなっていますが(それは現在SSRIがどう扱われているかということか)。一般人でも手に入る情報が画期的な薬!→どうもヤバいことがあるらしいに変わっていったその舞台裏では、こんなことがおきていたんですね。原著者が完全にヒーローとして書かれているので、冒険小説のようで大変読みやすい本でした。2018/02/28
Ryosuke Tanaka
3
制度的欠陥がこんなにも激しく企業・アカデミア・医師・ユーザーの関係を歪めうるということは相当にショッキングだった。分野を問わず、サイエンスを志す人には一読してほしい一冊です。2013/08/22
dometaro
3
この本に書かれているのが全て真実ならこれはやはり恐ろしいことだけど、現実には抗うつ薬で早期にうつから脱却している人たちが多くいる。とりあえずSSRIという判断でなく、患者と向き合うたびに全力で鑑別診断が行われ、どのような人にSSRIが適するのかということを明らかにする努力が必要なように感じる。誰に薬を与えるか?その辺りを明確にすべきなのではないだろうか2010/04/18
おおきなかぶ
2
勉強の為に読みましたが、正直退屈だった。2021/06/26
れい
2
抗うつ薬に十年くらいお世話になっていたので、気になって読んでみた。思ったよりも読みやすい…が、ここまで赤裸々に書いて大丈夫なのだろうか。でも、誰か事情を知る人がこうして知らせないと、一般人には知る機会すらないことを考えれば必要な本だと思う。2012/12/24
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