いつか月曜日に、きっと

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  • サイズ B6判/ページ数 340p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622071396
  • NDC分類 934
  • Cコード C0097

内容説明

国の大半を占める黒人の側から書くこと。時代の熱風が吹き荒れた南アフリカ1950‐1980年代に綴られた白人ノーベル賞作家の13エッセイ=南アフリカ現代史。

目次

チーフ・ルツーリ(1959)
コンゴ河(1960‐61)
脱走者と永遠に輝ける夏(1963)
重大な問題は街頭にある(1963)
検閲され、禁止され、沈黙を強いられ(1963)
なぜブラム・フィッシャーは刑務所を選んだか(1966)
それを生き抜いた男(1966)
プーラ!(1970)
自作短編を選り分ける(1975)
ジョハネスバーグからの手紙―一九七六年(1976)
血のように赤い二つの太陽が現われる(1977)
空白の時代を生きる(1982)
本質的な身ふり(1984)

著者等紹介

ゴーディマ,ナディン[ゴーディマ,ナディン][Gordimer,Nadine]
1923年、南アフリカのジョハネスバーグ近くのスプリングスで、ユダヤ系移民の子として生まれる。11歳のとき以来学校には通わず、20歳になってはじめてジョハネスバーグのヴィットヴァテルスラント大学に1年間、聴講生として通う。25歳のとき、短編集『顔と顔を合わせて』(1949)で本格的なデビュー。最初の長編小説は『いつわりの日々』(1953)。その後、12作の長編小説、200以上の短編作品を発表。『保護管理人』でブッカー賞受賞。1991年、ノーベル文学賞受賞

福島富士男[フクシマフジオ]
1951年宮崎市に生まれる。一橋大学卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。専攻アフリカ文学。現在東京都立大学人文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らぱん

45
①人種隔離政策(アパルトヘイト)は19世紀的植民地主義の残滓に留まらず、より狡猾で醜怪なシステムと化した。世界の趨勢に逆らい20世紀後半まで法律により人種差別を続けた国家南アフリカにおいて、白人の作家であることの意味を自らに問い、観察者の役割を課しその責任を考察する。フィクションとは人生のなかに可能性としては存在しながら、一度も夢見られたことのないことがらを探究する方法であると語り、芸術とは精神の自由であり抑圧者とともにあることはできず、抑圧される側にしかないと断言する。舌鋒は鋭く自らにも向けている。↓2019/09/28

順子

10
私には文章がやや難解だった。「意識下という領土を探究できるのは政治活動家ではなく作家」。作家の役割があるなら読者も役割を果たさねば。全部理解できたわけではないが。追記:ラグビー映画「インビクタス」で南アフリカの白人事情は少し知っていたが、そこに至るまでの歴史が解る。2019/06/29

qbmnk

1
南アフリカのノーベル文学賞受賞作家のエッセイ集。1950年代からの時系列的になっている。アパルトヘイトで揺れる1980年代に原書の編者が書いた解説に時代を感じる。世界の時代変化に取り残された歪んだ社会の枠組みの中で、人種や階層を超えて疑義を唱え行動することを作家の立場として解説している。自分ではどうすることもできない人種という属性の中で行動し評価することを内面と外見の冷静な観察者としての作家の立場から分析する鋭さがあった。何をすべきか、何かをしない罪に対して未来の責任を負うのか、考えさせられる。2018/06/15

Szeus

1
アパルトヘイトの真っ只中にある南アフリカ共和国。 そこでは暴力が日常と化し、白人による黒人の弾圧が日常的にあるものとして受け入れられている。 生きることにすら制限をかけられている世界において勇者たちは立ち上がる。 ネルソン・マンデラ、アルバートルツーリなど白人支配からの解放を願い、戦い続けた先に彼らは平和を手に入れることができるのだろうか。 今もなお残る黒人差別、白人支配からの脱却の始まりが描かれた興味深い一冊。2018/02/01

tokis

1
アパルトヘイト下の南アフリカにあって、反アパルトヘイト活動を支持する白人の女性作家という複雑な立ち位置を生き抜いた著者による随想録。被抑圧下にあった南アフリカの黒人にもまして、マイノリティのレッテルを幾重にも引き受けざるを得なかったその困難さは、本人の弁なしには想像しがたいものがある。世上どうしても一面的に語られがちな「南アフリカの白人」をめぐるイメージを覆す意味でも、とても有益な一冊。2010/07/31

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