出版社内容情報
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第一書評集『歴史家の本棚』から数えて十年、旺盛な読書力と独特の時空認識をそなえた〈ラディカル・ヒストリアン〉による書物をめぐる待望のエッセイ集である。
世紀の変わり目をまたいで、この世界は大きな変化を遂げた。湾岸戦争からイラク戦争へ、かつてとは意を異にする「帝国」が強大な力をふるい、イスラーム諸国をめぐる状況は行く先が見えない。そのいっぽうで、アジアにおける日本の存在がますます重要なものになり、国内では歴史と教育の問題が先鋭化している。
この本において披見される数多の本を通覧するとき、それぞれの著作がどこに位置するのかを的確にとらえる歴史家の案内によって、われわれは世界を知る読書のありようを地図のように感得できるだろう。
しかもなお本書の根底には、本を読むよろこびが感じられる。ときに読書を「死にかかった技術」と思いながらも、読書家に語りかける音色は、一貫して響いている。
山内昌之(やまうち・まさゆき)
1947(昭和22)年札幌に生れる。1971年北海道大学文学部卒業後、カイロ大学客員助教授、東京大学教養学部助教授、トルコ歴史協会研究員、ハーバード大学客員研究員などを経て1993年より東京大学大学院総合文化研究科教授。学術博士(東京大学)。国際関係史とイスラーム地域研究を専攻。1984年に『現代のイスラム』(朝日新聞社)で発展途上国研究奨励賞、1986年に『スルタンガリエフの夢』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、1990年に『瀕死のリヴァイアサン』(TBSブリタニカ)で毎日出版文化賞、1991年に『ラディカル・ヒストリー』(中央公論社)で吉野作造賞、2001年12月には『納得しなかった男』(岩波書店)などで司馬遼太郎賞、2002年11月に『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店)で二度目の毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。編集委員として『岩波講座・世界歴史』『岩波講座・開発と文化』『中公・世界の歴史』(中央公論新社)などの企画と刊行にもあたる。最新著には、『歴史の作法』(文春新書)『帝国と国民』(岩波書店)『歴史としてのイラク戦争』(NTT出版)『嫉妬の世界史』(新潮新書)など。
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関連書:
山内昌之『歴史家の本棚』
内容説明
世紀をまたいで変動するこの世界をどう読めばいいのか。イスラーム、帝国、歴史と教育、アジアの中の日本…。ラディカルな歴史家が指し示す楽しい書物地図。
目次
1 イスラーム社会を知るために(イスラームの未来はどうなるか;アル・カーイダと西欧 ほか)
2 帝国とはなにか(無敵帝国の神話;引き裂かれる世界 ほか)
3 歴史と教育(二十世紀と訣別する歴史学;二十世紀の歴史家たち ほか)
4 アジアのなかの日本(悲劇性と滑稽ぶり;後南朝と忠臣蔵 ほか)
5 楽しみとしての読書(古代文字の解読;ローマ史の結婚と「汚れた性」 ほか)
著者等紹介
山内昌之[ヤマウチマサユキ]
1947(昭和22)年札幌に生れる。1971年北海道大学文学部卒。学術博士(東京大学)。カイロ大学客員助教授、東京大学教養学部助教授、トルコ歴史協会研究員、ハーバード大学客員研究員などを経て1993年より東京大学大学院総合文化研究科教授。国際関係史とイスラーム地域研究を専攻。1984年に『現代のイスラム』(朝日新聞社)で発展途上国研究奨励賞、1986年に『スルタンガリエフの夢』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、1990年に『瀕死のリヴァイアサン』(TBSブリタニカ)で毎日出版文化賞、1991年に『ラディカル・ヒストリー』(中央公論社)で吉野作造賞、2001年には『納得しなかった男』(岩波書店)などで司馬遼太郎賞、2002年に『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店)で二度目の毎日出版文化賞をそれぞれ受賞
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