アーレント=ヤスパース往復書簡 1926‐1969〈3〉

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  • サイズ A5判/ページ数 295,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622071075
  • NDC分類 311.234
  • Cコード C3010

出版社内容情報

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〈地上にある人間は、肉体を具えていることが必要です。著作だけ知っていて著者その人をじかには知らない者にとっても、本の背後には――バーゼルに、アウ街に――だれかがいる、その人が生きた声と身振りをもって語っているという確かさが必要でした。なぜならこれだけが、本に書かれていることは現実だったのだと保証してくれるからです。…本というのは、この世に存在すること、人びとのなかの一人であることの、一つの独自なありようの表現であり、その表徴なのです。ときおり私たちのあいだには、人間たることを模範的に実現し、私たちがふつう概念や理想としてしか知らないものをその身に体現した人が現われます。ヤスパースは比類ないやり方で、自由と理性とコミュニケーションの結合を、いわば彼の一身をもって例証し、生涯においてそれを範例的に示し、それをふたたび省察して記述しましたから、私たちは爾来この三つのもの、自由と理性とコミュニケーションを、それぞれべつのものとしてでなく、三位一体として考えないわけにはいきません〉(アーレントの追悼の辞 1969年3月4日)

全3巻、完結。


Hannah Arendt(ハンナ・アーレント)
1906年10月14日、ドイツのハノーファー近郊リンデン生まれ。1975年12月4日、ニューヨークで死去。おもにハイデガー、ブルトマン、ヤスパースのもとで哲学・神学・ギリシャ古典学を学び、1928年、ヤスパースに博士学位論文を提出した。1933年にパリ、1941年にはニューヨークに亡命。1946年から1948年まで編集者の仕事に従事、その後は自由な執筆活動を展開し、1963年からは教授職に就いた。

Karl Jaspers(カール・ヤスパース)
1883年2月23日、ドイツのオルデンブルク生まれ。1969年2月26日、スイスのバーゼルで死去。法学・医学・心理学を学ぶ。1916年に心理学教授、1921年からはハイデルベルク大学の哲学教授に就任。ヒットラー政権下の1937年にヤスパースは職を解かれたが、1945年に復職、その後1948年から1961年まではバーゼル大学の哲学教授をつとめた。

大島かおり(おおしま・かおり)
1931年生まれ。東京女子大学文学部卒業。訳書にアーレント『全体主義の起原』2,3(共訳)スレーリ『肉のない日』フィールド『天皇の逝く国で』エティンガー『アーレントとハイデガー』アーレント『ラーエル・ファルンハーゲン――ドイツロマン派のあるユダヤ人女性の伝記』『アーレント=ハイデガー往復書簡 1925-1975』(共訳)(いずれもみすず書房)ほか多数。

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関連書:
アーレント『イェルサレムのアイヒマン』
アーレント『過去と未来の間』
アーレント『暴力について』

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全3巻・完結

内容説明

『イェルサレムのアイヒマン』が巻き起こした論争や騒動、ケネディ暗殺、ベトナム戦争、反戦運動や学生運動、そしてヤスパースの死。激動の60年代に交わした書簡133通を収録する。

目次

H・アーレントからヤスパース夫妻へ(一九六一年一二月三〇日)
K・ヤスパースからH・アーレントへ(一九六二年一月五日)
H・アーレントからヤスパース夫妻へ(一九六二年二月一九日)
K・ヤスパースからH・アーレントへ(一九六二年三月一八日)
K・ヤスパースからH・アーレントへ(一九六二年三月二七日)
H・アーレントからヤスパース夫妻へ(一九六二年三月三一日)
H・アーレントからK・ヤスパースへ(一九六二年四月一日)
K・ヤスパースからH・アーレントへ(一九六二年四月四日)
K・ヤスパースからH・アーレントへ(一九六二年四月五日)
K・ヤスパースからH・アーレントへ(一九六二年七月二日)〔ほか〕

著者等紹介

大島かおり[オオシマカオリ]
1931年生まれ。東京女子大学文学部卒業
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感想・レビュー

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いとう・しんご

4
感動の最各巻。各巻にhisaさんがレヴュを残しておられるので、そちらもご覧いただきたくこととして・・・’32年のヤスパースの大著「哲学」は「ゲルトルート・ヤスパースへ」という献辞から始まっているのです。これを見たとき、彼らのその後の過酷な運命を思って暗い気持ちになったのですが、本書によって彼の死に至るまでの、アレントとその夫君とヤスパース夫妻の愛情に溢れた交流に接すると、それでも人生は素晴らしい!それは生きるに値する!という強い励ましが与えられました。なお、翻訳の素晴らしさも強く指摘しておきたいです。2022/06/07

takao

0
ふむ2025/05/09

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