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ストーリーを続けよう

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  • サイズ B6判/ページ数 321p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622070306
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ジョン・バースと言えば、トマス・ピンチョンと並び、泣く子も黙る現代アメリカ文学の巨匠である。処女作『フローティング・オペラ』、名篇『旅路の果て』に始まり、『酔いどれ草の仲買人』、『キマイラ』、『レターズ』などなど、ボリュームたっぷりの傑作長編群は、世界文学の新しい地平をパワフルに切り開き、多くの読者を魅了してきた。

本書『ストーリーを続けよう』は、そんな〈長篇系のひと〉バースが久々に著した、待望の最新短篇集である。伝説の第1短篇集『びっくりハウスの迷子』より数えて、実に28年ぶりの短篇集刊行というから尋常でない。

もちろん、法螺と企みが大好きなジョン伯父さんのこと、今度の本も単純な短篇の寄せ集めであろう筈もない。「ハーパーズ」から「パリ・レヴュー」まで、錚々たる雑誌に発表、高い評価を受けた12の短篇それぞれの間に、幕間狂言的な掌篇を鏤めて、描かれるのは、バース夫妻を少なからずモデルに取ったと思われる、中/老年カップルたちの多様なスケッチ。時にしみじみと、時に哄笑を、時に手に汗握らせる、バース一流の語り=騙りに乗って、読者は小説の楽しみを満喫するに違いない。

それだけではない。バースはこの本において、初めての、実にトンでもない仕掛けを施したのだ。その仕掛けとは……

いや、その種明かしは、皆さんが本書を読んでのお楽しみとしておこう。名訳者、志村正雄氏による、知的興奮溢れる力作解説「叙述のマルチ・フラクタル」を併読すれば、面白さは更に倍増間違いなし! 冒頭のチャーミングな短篇「おわり--一つのイントロ」から驚倒の「カウントダウン--むかしむかし」による華麗なフィナーレまで、まさに満漢全席クラスのご満足を約束しよう。装丁は、あの『金曜日の本』のデザインでも絶賛を博した、玖保キリコ画伯、入魂の作である。


ジョン・バース(John Barth)
1930年、アメリカ、メリーランド州ケンブリッジに生まれる。47年、ニューヨークのジュリアード音楽学院に入学するも、すぐにジョンズ・ホプキンズ大学に転じ、同大大学院にて、52年に英米文学の修士号を得た。56年、処女小説『フローティング・オペラ』(講談社/サンリオ文庫)を発表、以後旺盛な作家活動を開始した。同時に大学の教員も務め、65年から73年までニューヨーク州立大バッファロー校教授、同年から95年まで母校ジョンズ・ホプキンズ大学英文科・創作科教授を歴任した。『キマイラ』(新潮社)で73年度の全米図書賞を受賞。トマス・ピンチョン、ドン・デリーロらとともに、現代アメリカ文学の最前衛として、強い影響を与え続けている。他の作品に、『旅路の果て』(白水社)、『酔いどれ草の仲買人』(集英社)、『レターズ』(国書刊行会)、『船乗りサムボディ最後の船旅』(講談社)など多数。エッセイ・評論集として『金曜日の本』(筑摩書房)がある。

志村正雄(しむら・まさお)訳
1929年、東京・青山生まれ。53年、東京外国語大学英米科卒業、62年、ニューヨーク大学大学院英米科修士課程修了。現在、東京外国語大学名誉教授、鶴見大学名誉教授、日本アメリカ文学会顧問。著書に『神秘主義とアメリカ文学』(研究社出版)、『詩集 から/へ』(書肆山田)など。訳書に、バース『旅路の果て』(白水社)、『サバティカル』(筑摩書房)、『船乗りサムボディ最後の船旅』(講談社)、『金曜日の本』(筑摩書房)の他、バーセルミ『帰れ、カリガリ博士』(国書刊行会)、ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』、『スロー・ラーナー』(いずれも筑摩書房)、メリル『イーフレイムの書』(書肆山田)など、多数がある。

内容説明

ジョン伯父さんが贈る、ラブリーでかなりフラクタルな短篇集。

著者等紹介

バース,ジョン[バース,ジョン][Barth,John]
1930年、アメリカ、メリーランド州ケンブリッジに生まれる。1947年、ニューヨークのジュリアード音楽学院に入学するも、すぐにジョンズ・ホプキンズ大学に転じ、同大学院に進んだ後、1952年英米文学の修士号を得た。1956年小説『フローティング・オペラ』(邦訳、岩元巌訳、講談社、1980年/田島俊雄訳、サンリオ文庫、1987年)でデビュー。以後、旺盛な作家活動を開始した。同時に大学の教員も務め、1965年から73年までニューヨーク州立大バッファロー校教授、同年から95年までジョンズ・ホプキンズ大学の英文科・創作科教授を歴任した。『キマイラ』(国重純二訳、新潮社、1980年)で1973年度の全米図書賞を受ける

志村正雄[シムラマサオ]
1929年、東京・青山に生まれる。1953年、東京外国語大学英米科卒業、1962年、ニューヨーク大学大学院英米科修士課程修了。インディアナ大学東洋語学文学科専任講師、東京外国語大学英米文学科教授などを経て、現在、東京外国語大学名誉教授、鶴見大学名誉教授、日本アメリカ文学会顧問
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にんにん

1
表紙の装丁と題に釣られて読んでみたが、ストーリーをこねくり回しすぎていて、そのくどさに辟易するかもしれない。また、文中、太字の語や文が挿入されているが、その意図が不明な上、かえって読みにくくしている。傍点でも良いのではないか。ただ、ストーリーを単純に読み解いてから読み直せば面白いものもある。表題になっている「ストーリーを続けよう」は入れ子型にもうひとつのストーリーが書かれていて、楽しく読めるかもしれない。訳者が「叙述のマルチ・フラクタル」なるものを後書きの代わりに36ページも書いているが余分な気もする。2012/02/05

急性人間病

0
……「始端と終端をもたない」という始端と「始端と終端をもたない」という終端をもたない』という始端と……2022/07/03

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