グレン・グールド発言集

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  • サイズ A5判/ページ数 403,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622070191
  • NDC分類 762.51
  • Cコード C1073

内容説明

その才気あふれるピアノ演奏のように、著者グールドの言葉もまた、私たちを挑発し魅了してやまない。『著作集』『書簡集』につづいて、グールドの音楽と人物を愛する、すべての人にささげる書物。

目次

前奏曲
敬愛する音楽家たち
バッハ父子、ベートーヴェン、ブルックナー
ギボンズからサッリネンまで
芸術とメディア
駆け足の回顧
いくつかの共演
バッハからシェーンベルクへ
終曲

著者等紹介

グールド,グレン[グールド,グレン][Gould,Glenn]
1932年9月25日トロント生まれ。ピアニスト・思想家。幼少より楽才を示し、トロント音楽院(現ロイヤル音楽院)に学ぶ。作曲家を志すが、ピアニストとして十代よりカナダで認められる。1947年トロント交響楽団と初共演、1950年CBC(カナダ放送協会)で初のラジオ・リサイタル。1955年、22歳で米国デビュー。翌年発売した「ゴルトベルク変奏曲」のアルバムで従来のバッハ解釈を刷新し、話題を呼ぶ。57年にソ連や欧州への演奏旅行に成功。以後、独自の選曲と解釈で名声を高めていくが、64年のリサイタルを最後に舞台から退き、以後はレコードと放送番組のみで演奏活動。音楽論やメディア論をめぐる文筆も行ない、新しい音楽作品を意図した「対位法的ラジオ・ドキュメンタリー」の制作も手がける。終生トロントに暮らし、82年10月4日脳卒中にて急逝。死後も人気は根強く、録音・映像・著作の紹介や学術研究が続いている

ロバーツ,ジョン・P.L.[ロバーツ,ジョンP.L.][Roberts,John Peter Lee]
1930年シドニー生まれ。同地の音楽院でピアノを学ぶ。55年にカナダにわたり、CBCウィニペグの音楽プロデューサーとなる。57年CBCトロントに移り、ラジオ番組を担当。65年国内番組の責任者、71年音楽・ヴァラエティ番組の最高責任者などを経て、83年オタワCBC本部の顧問。カナダ音楽評議会会長、国際音楽評議会会長、グレン・グールド財団初代代表、カルガリー大学芸術学部学部長、マクギル大学研究員などを歴任。アドミニストレイターとしてカナダ音楽界と放送番組の振興に貢献。96年カナダ勲章(オフィサー)

宮澤淳一[ミヤザワジュンイチ]
1963年群馬県生まれ。86年青山学院大学国際政治経済学部(国際政治学)卒業、88年早稲田大学第一文学部(露文)卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了、博士課程単位取得。早稲田大学文学部助手、同講師、トロント大学客員教授等を経て、法政大学・慶應義塾大学・青山学院大学・武蔵野音楽大学・国立音楽大学ほか講師。文学研究・音楽学・メディア論・文献表記法。カナダ研究・ロシア研究。第1回グレン・グールド財団栄誉賞(99年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

26
敬愛するピアニストの忌日に再読しながら思い出したのはジョン・キーツの詩句「聴こえる調べは美しい。しかし聴こえないものはさらに美しい」だった。 右手で弾きながら左手で指揮する彼のスタイルは、楽器という束縛から自らを解放してその外側に立ち、音楽の純化されたものを肉体の耳ではなく魂に訴えかけようとしているかに見える。ピアノを弾いている事実を忘れるべきだという言葉はまるで老荘的な「坐忘」の境地。ペダルを忌み嫌い、打楽器的な効果を最小化する奏法にも通じる。類い稀な技術があってこそできることなのだけれど…2017/10/05

松本直哉

13
あらゆるものに距離を置く。時代に棹さすよりも時代と距離を置き、超越する彼の生き方は、モンテヴェルディよりギボンズ、ストラヴィンスキーよりR.シュトラウスを賞揚するなど、時代遅れと思われる作曲家への彼の共感にもつながる。聴衆とも距離を置いて演奏会を開かず、辺鄙な田舎に隠遁。楽器とも距離を置き、ピアノという楽器を迂回して、楽器に制約されない音楽の本質を重視する。スタジオ録音への執念も、自分自身を距離を置いて客観的に見ようという試みではなかったか。それこそが語源的な意味でのエクスタシー=自分の外に立つこと。2015/03/18

ma_non_troppo

2
「創造プロセスにおける贋造と模倣の問題」が、個人的にはいちばん読み応えがあった。もともとグールドがベートーヴェンをどんな風に評価しているのか知りたくて手に取ったのだけれど、読み終えてみると、それ以上の充実感に満足。モーツァルトやショパンについてのグールド独自の見解も、ピアニストとして異彩を放っていた彼ならではのおかしみがあふれていて微笑ましい。しかしこの人のメンデルスゾーン、R・シュトラウス、シェーンベルク好きには相当なものがある。シュトラウスはノーマークだったので、参考にさせてもらおうと思う。2011/04/29

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