波止場日記―労働と思索 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 247p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622051398
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1010

内容説明

本書は、1958年6月から59年5月にかけての日記であり、沖仲仕生活をヴィヴィドに描いている。冷徹なアフォリズムをふんだんに編みこんだ、人間と世界への洞察はおどろくべく新鮮である。

著者等紹介

ホッファー,エリック[ホッファー,エリック][Hoffer,Eric]
1902‐1983。ドイツ移民の子として、ニューヨークに生まれる。7歳のときに母親が他界、同じ年突然視力を奪われる。盲目生活8年の後突然に視力が回復、過去を取り戻すかのように読書に没頭、「一日10時間、いや12時間も本を読んでいた」。1920年父親と死別、カリフォルニアにわたり職を転々とするなか、1934年失業独身者を収容する連邦キャンプで、自分をふくめ社会に適応しえぬ人間を発見、思索を深める契機をつかむ。1936年モンテーニュ『エセー』との偶然の出会いが彼に文章を書くきっかけを与え、1938年ミスフィット(社会不適応者)のことをまとめた『好ましからざる者たち』を雑誌に投稿。以後、「自由と運動と閑暇と収入とがこれほど適度に調和した職業はない」という港湾の荷役仕事を続けながら読書と大衆運動についての思索を重ねた。こうした日々は1951年、処女作The True Believer(邦訳『大衆運動』)に結実、大衆の立場に立ちつつも人間から一歩離れた視点を持つ人間考察を続けた

田中淳[タナカキヨシ]
1940年群馬県に生まれる。国際基督教大学卒業。哲学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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テツ

25
船の荷降ろしという過酷な肉体労働に明け暮れながら独学で大学教授にまでなった著者ホッファー。労働と思索。生きていく上で欠かせない完璧な両輪。日付や仕事内容のメモかと思うと突然始まる思考の垂れ流し。この混沌とした様子は著者の脳みそをそのまま眺めているようでとても面白い。真の意味での文武両道とはきっと労働中にも思考を忘れず、思考だけでは生活出来ないという現実を知りその中を生きていくこと。タフさと知性の輝きが素晴らしい。見習いたいもんです。2018/05/31

ののまる

12
ホッファーをやっと読み始めた。読み書きのできない人々の間に交じっての肉体労働と、主に図書館通いからの読書生活による思索の日々。視力を失っていたため小学校も卒業していないが、こうした日々を軸に自分の思想体系を構築していく。しかも名誉を求める気も虚栄心もなく、ただ自分が知りたいがため、世界を把握したいがため。2016/04/15

ふるい

8
見習いたい。2019/03/17

Mentyu

5
肉体労働をしていると思索は難しくなるし、本を読むことすら大変になってしまう。著者のホッファーは、沖仲士という肉体的に厳しい仕事と、思索を並行して行っているが、上手く行かないことも多いらしく、頭が回らないという素直な告白も目につく。自分自身、最近は酷暑の中で発掘調査をする日々が続いており、日記の内容には共感するものが多かった。2018/07/22

白義

5
ヴェイユの工場日記とは対照的に、軽やかで生活、仕事、思索が自然に一体化した日々という印象。自由への眼差しとかは似てる気もする。多くは望まず、その日の仕事をこなし思ったことを書く。禁欲的な生活だがうらやましい。勢古氏も言っていたが、こういう『普通』もあるのである。全体を通してアジテーターと観念の徒としての知識人批判が手厳しい。こういう日記が書ければどれほどいいか2011/01/14

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