出版社内容情報
師フロイトが精神分析を確立する過程を、母やユング等との人間関係そして時代状況のなかで描く。
内容説明
母親や妻マルタへの感情、父親や弟子であるユングとの関係、宗教観と政治観…師フロイトが精神分析を確立する過程を、人間関係そして時代状況のなかで描く。
目次
1 真理に対するフロイトの情熱と勇気
2 フロイトと彼の母との関係 自信と不安定さ
3 フロイトの女性との関係 愛
4 フロイトの男性への依存心
5 父との関係
6 フロイトの権威主義
7 フロイト 世界の改革者
8 精神分析運動の政治的性格
9 フロイトの宗教的政治的信念
10 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
13
EP新刊棚。1959年初出。フロイトのパーソナリティとして、真理に対する情熱と、理性における妥協のない誠実さがある(傍点4頁)。彼は、権威主義であって、頑固、他人の意見、自らの理論の訂正は偏狭であった(94頁)。皮肉なことに、心理学者のわりには、カウンセリングマインドに問題があるのだ。だから、カウンセラーとしては務まらない。2014/01/17
あなた
10
フロムはフロイトを「理性」のひとととらえているが、フロイトの革命的だったことは、人間の力点を「理性」から「欲動」にダイナミックに転換したことだろう。お行儀のよい記号活動から、節操のない記号活動へと人間主体がチェンジしたのである。でも、今回読んでて気になったのは、ああ、そういや精神分析にとっての「長椅子」というのはメディア論的におもしろいなあということだった。身体を「横」にすることで無意識領域における言語活動がとぐろのように立ち現われてくる。ピロートークでは、おなじみのことですよね、ええ2009/07/28