出版社内容情報
国連事務総長の傍ら綴った内面の記録は、信仰と生活、思想と行動の間の深淵を示し感動を誘う。
内容説明
1956年スエズ、1960年コンゴ、数々の国際紛争の解決を試みた国連事務総長。激務の日々、自己の内面を静かに見つめ、平和への想いを託した詩・箴言・黙示録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuo
12
元国連事務総長のハマーショルドの日記。著者は、スエズ動乱時の事務総長として知られているが、それらの実務についての記述はない。キリスト教への深い信仰の告白と、自らを律するための自分自身への哲学的な箴言集。各国のエゴがぶつかり合う国際政治の中心で、「結果を出してきた」人物であるので、実際は多分に「政治的」な人物であったのであろうが、その底には、本書で独白される世界観があった。首相の子息という名門の出であるが、この人間の深さが、我が国の二世議員の人々が保持していないノブレス・オブリージュというものなのだろうか?2018/03/04
イボンヌ
10
「この広漠たる孤独のうちにあって、みんなのために奉仕すること」P163 日本の政治かもそうあって欲しいのに2017/09/24
ムートン
4
ハマーショルドが国連事務総長であったという情報は、果たして、この本に必要だったのだろうか。前書きや注釈の記載がなければ、まったく気づく要素がない。冒頭に「日記のようなもの」と書いている通り、断片的な思索や、詩のようなものが書き綴られている。P168の「謙虚」についての記述、P181の「それくらい、守らせてやるがよい」、そしてP189の使命感を得たときの記述が印象に残った。2020/10/16
mayu
3
1967年初版発行。国連事務総長だったダグ・ハマーショルドの遺した日記や手紙をまとめたもの。本人の内面的な葛藤や人生の意味などについて書き記されている。いろいろと考えさせられる本。 「人生に価値を与えるもの、おまえはそれに手を届かせることもでき―また、失うこともできる。おまえはけっしてそれを所有していることができない。これはとりわけ<人生にかんする真理>についていえることである。」 / 答えはおのずから浮かんできた。「―夜は近きにあり。過ぎ去ったものには―ありがとう。来たろうとするものには、よし!」 2012/07/01
Kan
2
詩集にはまったかも。全てを得るには全てを与えなければならない。2019/10/27