結ぼれ (新装)

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結ぼれ (新装)

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  • サイズ B6判/ページ数 157p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622049111
  • NDC分類 931
  • Cコード C1098

内容説明

「ひき裂かれた自己」「狂気と家族」につづくレインの新著。ふしぎさに充ち、魅力あふれる小さな本。これは卓抜な精神医学者レインの視野にある症例の集合ではない。これは、人間の出会いがつくる心の状況の多様なシェーマについての、一つのシナリオ、一つの短篇小説、一つの心理的寓話ともいえよう。あるいは定理集、また詩集ともいえよう。人間の心理の世界で、リンネが分類学で試みたことは、まだ実現されていない。これは、一つのデッサンであるが、正確でエレガントである。「マーヤ」の織りなす網、幻想の画布は、終りない夢の彼方へ、人を誘ってやまないだろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

片瀬

15
臨床心理士を目指している友達が好きなR.D.レイン。でも、自分にとってはただただ「なんだろう?」な印象。愛してくれる。愛してくれない。おびえる。おびえない。ふさわしい。ふさわしくない。……様々な人間心理のうねりの中で"結ぼれ"ていく人々。「すべての区別は心である、心によってであり、心のなかにあり、心の一部である」。そんなことより、「陳述は的外れ 指はもの言わず」なのが、私の考え方に近いのかもしれません。――「なんと興味深い指だろう 吸わせておくれよ」。「興味深い指なものですか そんなもの持っていってよ」。2014/12/12

きゅー

11
人と人とのコミュニケーション不全が、詩のような文章で綴られている。彼らは相手に向かって話しているようでいて、実はその視線の先には相手ではなく、常に自身がいる。レインはマルティン・ブーバーの著作に精通していたとのことだが、そのブーバーの『我と汝』では<我とそれ>、<我と汝>という二つの関係性が重要な意味を持ち記述されている。簡単に言えば<我とそれ>とは自己愛の関係であり、<我と汝>とは与える愛の関係だといえる。この『結ぼれ』で描かれているのは徹底した<我とそれ>との関係であり、相手がいるからこその孤独だ。2012/09/18

MOTO

4
読みづらい。真剣に読めば読むほど段々と変な気分になってくる。詩のようでもあるし、対話のようでもあるし、手記のようでもあるし、観察記録のようでもある。大好きだから嫌いになる。大嫌いだから好きになる。矛盾?ジレンマ?すれ違い?どこかでなにかが変わって全く違うものになっていく。精神病者の考え方はこんな感じなんだろうか?説明できないけど、なんだかとても悲しくてさみしい。憂鬱。2014/12/12

kenyoi

4
一見複雑で混沌として見える文章だが、それは明確に論理的である。そして、そこには他人への、自己への愛が全面に溢れ漏れ出している。2012/10/27

春色

4
作者が前書きでも語っているとおり、『好き?好き?大好き?』が磨き上げられたものだとしたら、こちらは原石といった趣き。詩集との体をとっているが、実際には精神科学の匂いが濃い。そのせいで門外漢の私には少し読みにくいのだけれど、それでもその魅力を失わせる程の欠点ではない。つらつら綴られた言葉によって、グルグル思考の渦に呑まれる。そんな経験が出来る一冊でした。2009/02/20

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