出版社内容情報
日本語論・俳句論・エッセイなどを自選・集成した全8巻の著作集、最終回配本。
「古典」とはいったいどういうテクストをいうのか? また、古典はいかにして生まれるのか? 教科書に載っているのはだいたいがいわゆる「古典」であり、「古典文学全集」などというものもある。しかし正面切って、「古典とはなにか? それはどうしてできるのか?」と問われたら、だれしも答えに窮するのではないか。これは従来の文献学的な研究法ではラチのあかない難問である。
「作者は作品を書く。しかし、古典を書くことはできない。作者の手もとをはなれたときすでに古典になっているという作品はかつて存在しなかった……それでは、古典はいったいだれがつくるのか。作品を読み、鑑賞する第三者である」。
すべての読者はテクストを読むことによって異本をつくり、それが時間の経過のなかでやがて収斂し、古典を形成する。このプローセスは翻訳・校正・シェイクスピア・連句などの分析によってスリリングに例証される。
『修辞的残像』によって<読み>の構造を明らかにし、ついで『近代読者論』において<読者>の地位を定立した著者は、この『異本と古典』のなかで<古典成立>のメカニズムを解明する。眞にオリジナルな<外山学>がここに完結することになる。
外山滋比古(とやま・しげひこ)
1923年愛知県に生まれる。1947年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。1951年「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、1956年東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授。1962年、文学博士。1989年お茶の水女子大学名誉教授、昭和女子大学教授。1999年同大学退職。『修辞的残像』『近代読者論』により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』でその実践をしめす。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』から『古典論』へと展開。これとは別に、日本について『日本語の論理』、俳句にかんして『省略の文学』『俳句的』などを発表。同時に折にふれてエッセイを書いた。
内容説明
作者は作品を書く。しかし、古典を書くことはできない―すべての読者がつくる“異本”を手がかりに、古典成立のメカニズムを解明した、“外山学”の頂点。
目次
1 異本論(読者の視点;コピー;異本の収斂;ノイズ;移り変わり;排除性;異本の復権;自然の編集;文学史の問題;時間と空間;一斉開花;古典への道)
2 古典論(典型化の過程;異本化の作用;古典化の原理)
3 虚構について(非日常的;よそごと;手紙・日記;読者;ミメーシス(模倣)
読みの虚構
フィクションのおもしろさ
虚実の間
古典
世界文学の理念)
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