大人の本棚
エリア随筆抄

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048268
  • NDC分類 934
  • Cコード C1398

出版社内容情報

F・ベイコン以来の長い伝統を誇るイギリス・エッセイ文学の完成者として知られるチャールズ・ラム。その作品は『エリア随筆集』正・続2作に輝き、わが国の英文学者にも最も愛されてきた。

「一種の象眼細工のような趣」(戸川秋骨)、「極めて精緻な用意を以て成る……技巧の神」(平田禿木)、「天下無類の書物」(林達夫)、「至芸の文体」(平井正穂)――これらの賛辞に埋め尽くされた作品は、逆に読者を寄せ付けなくしているのではないだろうか。

〈自身が事務机となり、机が私の魂の中に食いこん〉だ、30余年にわたるサラリーマン生活の余暇に書きためられたエッセイ、それが『エリア』でもある。
〈花の都ロンドンで、私はサラリーマン〉を一途に勤めあげた、ラムの日々のつぶやきの結晶が、この作品でもあるのだ。

シリーズ《大人の本棚》の一冊

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Charles Lamb(チャールズ・ラム)
1775年ロンドンに生まれる。エッセイスト。筆名エリアElia。1782-89年クライスト学院に在学。1789年から1825年まで、南海商社のちに東インド会社に勤務。1796年、友人コールリッジのPoems on Various Subjecsにソネット4編を収める。1798年、彼の詩のなかで最も有名な'The Old Familiar Faces'を含む詩集Blank VerseをChales Lloydと出版。1807年、姉メアリイと『シェイクスピア物語Tales from Shakespeare』刊行。London Magazine誌のスタッフとして寄せたエッセイを、1823年に『エリア随筆集(Essays of) Elia』、1833年には『続エリア随筆集The Last Essays of Elia』として刊行する。1834年歿。
1795年末から翌年初めまで、失恋の悲しみから入院。1796年、姉メアリイは発作から母親を刺殺。チャールズは、この姉の保護に献身して生涯独身を通し、姉もまた弟チャールズに報いた。

訳者:
山内義雄(やまうち・よしお)
1905年愛知県生まれ。東京大学文学部英文科卒業。明治大学教授。訳書 ベネット『文学趣味』、ハーディ『テス』、ホワイト『セルボーンの博物誌』、ラム『ユリシーズの冒険』ほか。1968年歿。

解説:
庄野潤三(しょうの・じゅんぞう)
1921年大阪府生まれ。九州大学東洋史学科卒業。1955年『プールサイド小景』により芥川賞受賞。1961年『静物』により新潮社文学賞受賞。1965年『夕べの雲』により読売文学賞受賞。日本芸術院会員。

内容説明

なつかしい昔を、しみじみとした情緒とユーモアに包み込んだロンドンっ子ラム。英エッセイ文学の精華「エリア」正続からの選りすぐり16篇。

目次

南海商会
除夜
ヴァレンタイン・デイ
私の近親
初めての芝居見物
現代の女性尊重
食前感謝の祈り
幻の子供たち―夢物語
煙突掃除人の讃
豚のロースト談義〔ほか〕

著者等紹介

ラム,チャールズ[ラム,チャールズ][Lamb,Charles]
1775‐1834.イギリス・ロンドンのエッセイスト。筆名エリアElia。1782‐89、クライスト学院に在学。1789‐1825、南海商社のちに東インド会社に勤務。’96、友人コールリッジのPoems on Various Subjectsにソネット4篇を収める

山内義雄[ヤマウチヨシオ]
1905‐1968.愛知県生れ。東京大学文学部英文科卒。明治大学教授

庄野潤三[ショウノジュンゾウ]
大正10年(1921)、大阪府生れ。九州大学東洋史学科卒。昭和30年『プールサイド小景』により芥川賞受賞。昭和36年『静物』により新潮社文学賞受賞。昭和40年『夕べの雲』により読売文学賞受賞。日本芸術院会員
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

25
『幻の子供たち』『古陶器』の結末で引き戻されるような感覚が、何と無くタブッキの作品と重なった。抄とはいえ、ちょっととっつきにくい印象でした。別訳者だとまた違うのかな。2017/10/26

あきあかね

17
 18世紀から19世紀にかけてのロンドンで、三十年以上の会社勤めの傍ら書きためられた宝石のようなエッセイの数々。チャールズ·ラムは、機知、諧謔、ユーモア、皮肉を混じえた多彩な筆で、日々の生活の中のささやかな幸福や人生の哀歓を軽やかに描き出す。「イギリス·エッセイ文学の完成者」と呼ばれ、辻邦生も愛読していたというのも納得できる。 中でも、最高傑作の一つとして定評のある「幻の子供たち」という10頁足らずの小品がじんわりと心にしみ入った。⇒2019/05/15

kibita

12
18世紀から19世紀の、ロンドンのエッセイスト。映画「ガーンジー島の読書会の秘密」での、キーになる本。映画冒頭、ドイツ軍に隠れての「豚のローストの宴」シーン、本収録の「豚のロースト談義」。孔子の「易経」(?!)に最初に豚の丸焼きを食べた中国人の話が書いてあったとか、いかに子豚のローストが美味かと絶賛しているのがチャーミング。引用が多くて訳註を確認しないとなかなか読み進まない章もあるが、まさかの落ちでしんみりする「幻の子供たち」や幼少期の郷愁など、ゆっくりお茶を飲みながら味わいたい随筆集でした。2021/07/05

ぱせり

7
『幻の子供たち』美しい。曽祖母が管理していたお屋敷の思い出、古風な庭園の匂いや温度まで。通り過ぎていく二人の子どもの幽霊やそれについての曽祖母の言葉など、そして何もかもが霧に包まれるような幕の引き方まで、ため息。『グリーン・ノウ』を思いだし、ここだけ切り抜いてとっておきたくなる。次いで『南海商会』『書物や読書についての断章』『古陶器』もよい。 2012/03/14

三月★うさぎ

2
しみじみいいのだが、シミジミすぎてなかなか読み進まなかった。2012/07/16

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