出版社内容情報
F・ベイコン以来の長い伝統を誇るイギリス・エッセイ文学の完成者として知られるチャールズ・ラム。その作品は『エリア随筆集』正・続2作に輝き、わが国の英文学者にも最も愛されてきた。
「一種の象眼細工のような趣」(戸川秋骨)、「極めて精緻な用意を以て成る……技巧の神」(平田禿木)、「天下無類の書物」(林達夫)、「至芸の文体」(平井正穂)――これらの賛辞に埋め尽くされた作品は、逆に読者を寄せ付けなくしているのではないだろうか。
〈自身が事務机となり、机が私の魂の中に食いこん〉だ、30余年にわたるサラリーマン生活の余暇に書きためられたエッセイ、それが『エリア』でもある。
〈花の都ロンドンで、私はサラリーマン〉を一途に勤めあげた、ラムの日々のつぶやきの結晶が、この作品でもあるのだ。
シリーズ《大人の本棚》の一冊
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Charles Lamb(チャールズ・ラム)
1775年ロンドンに生まれる。エッセイスト。筆名エリアElia。1782-89年クライスト学院に在学。1789年から1825年まで、南海商社のちに東インド会社に勤務。1796年、友人コールリッジのPoems on Various Subjecsにソネット4編を収める。1798年、彼の詩のなかで最も有名な'The Old Familiar Faces'を含む詩集Blank VerseをChales Lloydと出版。1807年、姉メアリイと『シェイクスピア物語Tales from Shakespeare』刊行。London Magazine誌のスタッフとして寄せたエッセイを、1823年に『エリア随筆集(Essays of) Elia』、1833年には『続エリア随筆集The Last Essays of Elia』として刊行する。1834年歿。
1795年末から翌年初めまで、失恋の悲しみから入院。1796年、姉メアリイは発作から母親を刺殺。チャールズは、この姉の保護に献身して生涯独身を通し、姉もまた弟チャールズに報いた。
訳者:
山内義雄(やまうち・よしお)
1905年愛知県生まれ。東京大学文学部英文科卒業。明治大学教授。訳書 ベネット『文学趣味』、ハーディ『テス』、ホワイト『セルボーンの博物誌』、ラム『ユリシーズの冒険』ほか。1968年歿。
解説:
庄野潤三(しょうの・じゅんぞう)
1921年大阪府生まれ。九州大学東洋史学科卒業。1955年『プールサイド小景』により芥川賞受賞。1961年『静物』により新潮社文学賞受賞。1965年『夕べの雲』により読売文学賞受賞。日本芸術院会員。
内容説明
なつかしい昔を、しみじみとした情緒とユーモアに包み込んだロンドンっ子ラム。英エッセイ文学の精華「エリア」正続からの選りすぐり16篇。
目次
南海商会
除夜
ヴァレンタイン・デイ
私の近親
初めての芝居見物
現代の女性尊重
食前感謝の祈り
幻の子供たち―夢物語
煙突掃除人の讃
豚のロースト談義〔ほか〕
著者等紹介
ラム,チャールズ[ラム,チャールズ][Lamb,Charles]
1775‐1834.イギリス・ロンドンのエッセイスト。筆名エリアElia。1782‐89、クライスト学院に在学。1789‐1825、南海商社のちに東インド会社に勤務。’96、友人コールリッジのPoems on Various Subjectsにソネット4篇を収める
山内義雄[ヤマウチヨシオ]
1905‐1968.愛知県生れ。東京大学文学部英文科卒。明治大学教授
庄野潤三[ショウノジュンゾウ]
大正10年(1921)、大阪府生れ。九州大学東洋史学科卒。昭和30年『プールサイド小景』により芥川賞受賞。昭和36年『静物』により新潮社文学賞受賞。昭和40年『夕べの雲』により読売文学賞受賞。日本芸術院会員
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