大人の本棚
日本人の笑い

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048244
  • NDC分類 911.45
  • Cコード C1395

出版社内容情報

門口で医者と親子が待っている

正直にお七ははえたと申しあげ

「いかなる時代の文学よりも、江戸文学に笑いの要素がつよいというのは」、それが明朗で、闊達で、あけすけな庶民の文学だからである。その江戸文学の中で、もっとも庶民的な、したがってもっともユーモアと風刺に富んだ文学は俳諧の落とし子の川柳である……セックスとても、その例外ではない。いや、それどころか、両性の協力によって成りたち、その性交によって存続している人生であるにもかかわらず、気どって、そしらぬ顔をしがちであるだけに、彼らは好んでその機微をさぐり、そのための喜びや悲しみやもだえを率直に指摘する。閨房の秘戯におよぶことも、しばしばである」(まえがき)。

西鶴研究の第一人者にして、江戸文芸の達人が道案内する古川柳、とりわけ下世話に通じた〈バレ句〉の世界。時代を越えた、庶民のしたたかな辛口のユーモアをご賞味あれ。

シリーズ《大人の本棚》

書評より:
小中陽太郎さん 週刊ポスト 2002.4.26

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暉峻康隆(てるおか・やすたか)著
1908年鹿児島県生まれ。1930年早稲田大学文学部国文科卒業。『江戸文学辞典』(1940)、『文学の系譜』(1941)、『近世文学評論』(1942)など、江戸文学を中心とした研究・評論を刊行する。1942年から78年まで早稲田大学文学部教員をつとめる。その間、1943年、37歳にして召集され、中国に送られた。復員後は教育・研究のみならず、ジャーナリズムの世界も含めた幅広い活動を続け、ベストセラーになった『スラング』(1957)や本書を出版する。80歳を過ぎても研究意欲十分で『日本人の愛と性』(1989)、『日の丸・君が代の成り立ち』(同)、『幽霊・めいど・いん・じゃぱん』(1991)などを刊行した。2001年4月、急逝。

谷脇理史(たにわき・まさちか)編・解説
1939年群馬県生まれ。現在、早稲田大学教授。著書に『西鶴研究序説』『西鶴 研究と批評』などがある。

内容説明

門口で医者と親子が待っている―人生の喜び・悲しみ・もだえから閨房の秘戯まで。江戸文芸の達人が粋に語る、庶民の闊達なユーモアと辛い風刺への道案内。

目次

お江戸の春
心中のなりたち
性の抑圧
性と掟
日陰の性
女の宿命
花嫁の条件
夫婦のいとなみ
老楽の性
神も人なり
庶民の偶像
迷える僧侶
英雄の正体
栄華の夢
寝物語

著者等紹介

暉峻康隆[テルオカヤスタカ]
明治41(1908)年鹿児島県志布志に生れる。平成13(2001)年没。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

3
江戸時代の性をテーマにした川柳に、著者が軽妙な解説を付けたもの。くすくす笑える。われわれの先祖のあけすけさに圧倒される。特に純粋無垢な少年である(真っ赤なウソです。笑)わたしは顔を赤らめることしばし。「茶飲み友達で薬缶の水が減り」 さてのこの句の意味は?(苦笑)2010/09/17

橘 劫

0
この本を読んで、現代日本にバレ句が存在しない理由が見えかけた。ただそれはあくまで可能性の段階だからどうなんだろう。こういう研究ってやられている方が少ないからここでのつぶやきがどう反映しているかもわからない。今回の発見をうまく説明できるといいな。2010/08/20

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