大人の本棚
小津安二郎「東京物語」ほか

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  • サイズ B6判/ページ数 291p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048220
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1374

出版社内容情報

映画監督・小津安二郎がさまざまな機会に書き綴った文章には、たんなる作品資料にとどまらず、それ自体として魅力的なものが少なくない。本書では「殺人綺談」「丸之内点景」ほか軽快なモダンスタイルの初期エッセイ、従軍体験を克明かつ赤裸々に綴った日記と手紙(初公開18通を含む)、演技学講義「映画演技の性格」および自作解説(これのみ談話で、作品中2本は野田高梧による解説)、そして脚本から映像へのプロセスを浮き彫りにする「東京物語」監督使用台本全文を収録した。生誕100年(2003年)も間近。映画・ビデオ鑑賞に必携、世界の巨匠OZUの全貌をとらえたコンパクトな1冊である。


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《大人の本棚》
新しいだけの知識や情報はもうウンザリ! 人生も半ばを過ぎて自ら安んじ、これから何を読み、何と付き合うかを考えるとき、さて、何があるか? ……大人だからこそ読んでみたい、読み返したい書目を厳選しておくる、全20冊のシリーズです。古典から今日のすぐれた書き手まで。軽く目にやさしい本文用紙、柔らかな表紙を採用、そして何よりも、従来に比べて一回り大きな活字で本文組を実現。ユニバーサルデザインのアンソロジー。

『小津安二郎「東京物語」ほか』は、このシリーズの第1冊目として刊行。
刊行月の12月は小津の誕生日と逝去の日でもあり、変わらぬ小津人気にささえられ好評。
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小津安二郎(おづ・やすじろう)
1903年東京深川に生まれる。1923年、松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社。大久保忠素組の助監督を経て1927年、時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。以来1962年公開の『秋刀魚の味』まで、全54作品でメガホンをとり、サイレント、トーキー、モノクロ、カラーそれぞれのフィルムに匠の技を焼き付けた。1963年腮源性癌腫により死去。1958年紫綬褒章受章、1959年芸術院賞受賞、1962年芸術院会員。作品『生れてはみたけれど』(1931)、『出来ごころ』(1933、以上、松竹蒲田)、『戸田家の兄妹』(1941)、『晩春』(1949、芸術祭文部大臣賞)、『麦秋』(1951、芸術祭文部大臣賞)、『東京物語』(1953、芸術祭文部大臣賞、ロンドン映画祭サザランド賞、アドルフ・ズーカー賞)、『早春』(1956)、『東京暮色』(1957)、『彼岸花』(1958、芸術祭文部大臣賞)、『秋日和』(1960、芸術選奨文部大臣賞。以上、松竹大船)、『宗方姉妹』(新東宝、1950)、『浮草』(大映、1959)、『小早川家の秋』(宝塚作品、1961)ほか。

編者:
田中眞澄(たなか・まさすみ)
1946年北海道に生まれる。慶應義塾大学文学研究科修士課程修了(国文学専攻)。映画史研究家。論考「溝口健二――もうひとつの『土』」(「シネティック」1号、1993)、「物語・蒲田モダニズム――北村小松から小津安二郎へ」(「シネティック」2号、1995)、「時代劇映画史論のための予備的諸考察」(京都映画祭実行委員会編『時代劇映画とはなにか――ニュー・フィルム・スタディーズ』人文書院、1997)ほか。編著『小津安二郎・全発言 1933~1945』(泰流社、1987)、『小津安二郎戦後語録集成 昭和21(1946)年-昭和38(1963)年』(1989)、『全日記 小津安二郎』(1993、以上、フィルムアート社)ほか。など多数。

内容説明

映画監督、小津安二郎がさまざまな機会に書き綴った文章には、作品資料にとどまらず、それ自体として魅力的なものが多い。本書では「殺人綺談」ほか軽快なモダンスタイルの初期エッセイ、従軍体験を克明かつ赤裸々に綴った日記と手紙、演技学講義「映画演技の性格」および映画鑑賞に必携の自作解説、そして脚本から映像へのプロセスを浮き彫りにする「東京物語」監督使用台本を収録。世界の巨匠OZUの全貌をコンパクトにとらえた1冊である。

目次

モボ・エッセイ(殺人綺談;丸之内点景東京の盛り場を巡る;車中も亦愉し)
中国戦線にて(戦地からの手紙野田高梧・筈見恒夫宛書簡;従軍日記)
映画について(映画演技の性格;小津安二郎・自作を語る;映画の味・人生の味)
「東京物語」監督使用台本

著者等紹介

小津安二郎[オズヤスジロウ]
1903年東京深川に生まれる。1923年、松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社。大久保忠素組の助監督を経て1927年、時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。以来1962年公開の『秋刀魚の味』まで、全54作品でメガホンをとり、サイレント、トーキー、モノクロ、カラーそれぞれのフィルムに匠の技を焼き付けた。1963年腮源性癌種により死去。1958年紫綬褒章受章、1959年芸術院賞受賞、1962年芸術院会員

田中真澄[タナカマサスミ]
1946年北海道に生まれる。慶応義塾大学文学研究科修士課程修了(国文学専攻)。映画史研究家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももたろう

20
親孝行、そして嫁姑の関係の在り方について描かれた日本の誇る名作だと感じた。単に親に優しくするのは親孝行ではない。どんな仕事でもいい、立派に働き、世のため人のために貢献する姿を親に見せる事、それこそ最大の親孝行だと私は思う。小津安二郎監督の映画は、日本が世界に誇れる名作。日本的な家族の在り方や親族との繋がりが、大変温かく描かれている。現代ではどんどん失われゆく日本の旧き良き時代の美しさが詰まっている。そして、その美しさは現代にあってなお、体現できるものだ。 2017/09/17

てる坊

7
尾道の老夫婦が最後のたびに息子たちのいる東京に行く そこでは自分の時間ばかり主張する子供や孫ばかりで、今は未亡人の赤の他人の紀子のやさしさが光る。親とこの関係を描きたいと前置きしながら親子の寒い関係を絵がかざる得ない現代の東京のすがた、人を悪くする多勢の中の個人、そう感じられた。世界に認められた映画の台詞。一見へんてつもないが、絵コンテあり、多くの描写の注文、カット加入あり。言葉で表せない分多くの事柄を加筆している。2013/07/21

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