詩人が贈る絵本
人生の最初の思い出

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  • サイズ B5判/ページ数 1冊(ペ/高さ 24cm
  • 商品コード 9784622047421
  • NDC分類 E
  • Cコード C8797

出版社内容情報

詩人が送る絵本2
第1回配本


Patricia MacLachlan(パトリシア・マクラクラン)
1923年アメリカ北西部、風の吹きすさぶ広大な台地にひろがるワイオミング州に生まれたマクラクランは、1986年に『のっぽのサラ』でニューベリー賞を受賞、今日もっとも人気ある子どもの本の作家の一人になった。物語は現実に根を下ろすためのものという作家の原点は、この絵本のなかにある。絵本にでてくるハコヤナギの木は、ワイオミングの州の木。

Barry Moser(バリー・モーザー)
現代アメリカを代表する版画家、イラストレーター。ブックデザインをふくめた本の仕事に傑出した才能をあらわし、1983年に『不思議の国のアリス』で全米図書賞を受賞。子どもの本も数多く手がけ、しばしばイラストレーターである娘のカラと組んで絵本をつくる。バリー・モーザーの作品はメトロポリタン美術館や大英博物館などに所蔵されている。

長田弘(おさだ・ひろし)
詩人。1939年福島市生まれ。代表的な詩集に『一日の終わりの詩集』『黙されたことば』(ともにみすず書房)『深呼吸の必要』『食卓一期一会』『世界は一冊の本』『記憶のつくり方』(ともに晶文社)など。「贈る絵本にこの本を選んだのは」と詩人は言う。「この絵本を手にしたという記憶を、できるだけおおくの人と共有したかったから」。

内容説明

なぜ、ここを、はなれなくちゃいけないんだろう?どんなところへ、ゆかなくちゃいけないんだろう?どこまでも澄んだ空。どこまでもつづく大草原。そして、大きなハコヤナギの木。じぶんがそこで生まれ、そこでそだった土地の、愛しいものすべてに、さよならを言わなければならない日がやってきた。…人生の最初の思い出は、いつでも、じぶんといっしょにあるんだ。たとえ、じぶんでは、すっかりわすれてしまってもね。まるで詩のように研ぎすまされた言葉、深いまなざしを感じさせずにいない版画。ふだんは忘れている感情をかきたてられる、絵本というより、光と影にみちた心のアルバム。

著者等紹介

マクラクラン,パトリシア[マクラクラン,パトリシア][MacLachlan,Patricia]
アメリカ北西部、風の吹きすさぶ広大な台地にひろがるワイオミング州に生まれたマクラクランは、1986年に『のっぽのサラ』でニューベリー賞を受賞、今日もっとも人気ある子どもの本の作家の1人になった

モーザー,バリー[モーザー,バリー][Moser,Barry]
現代アメリカを代表する版画家、イラストレーター。ブックデザインをふくめた本の仕事に傑出した才能をあらわし、1983年に『不思議の国のアリス』で全米図書賞を受賞。子どもの本も数多く手がけ、しばしばイラストレーターである娘のカラと組んで絵本をつくる

長田弘[オサダヒロシ]
詩人。1939年福島市生まれ。代表的な詩集に『一日の終わりの詩集』『黙されたことば』(ともにみすず書房)『深呼吸の必要』『食卓一期一会』『世界は一冊の本』『記憶のつくり方』(ともに晶文社)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

135
絵が何とも言えずにいい味を出しています。単色の鉛筆による細密画のようで、アメリカの画家のアンドリュー・ワイエスの構図のような感じがしました。小さな女の子のなぜ引っ越していかなければならないのかという心象をうまく描いていると感じました2017/02/27

アナーキー靴下

51
「いっしょうけんめい、わたしは思いだすようにしよう。たくさんの歌や、夜明けの、オンドリの鳴く声。乳牛の耳。」もう二度とは巡り会えないだろう出来事を、自分の心に強く強く刻みつけておこうとする、そういうのってきっと誰もがしたことあるよね。ずっと同じ場所で同じ毎日を繰り返している人なんてそうそういないだろうから。でも作者紹介の「物語は現実に根を下ろすためのもの」という言葉を見ると、もっと切実な、場所に拠り所を持てず、思い出の中に自身のルーツを刻む姿を想像してしまう。トレーラーハウス生活とか、そういう放浪的な。2024/09/26

ちえ

35
理由はわからないけれど住み慣れた我が家を人手に渡し去ることになった一家。「わたし」の心に訪れる痛み、悲しみ、怒り…。「人生最初の思い出は、いつでも自分と一緒にあるんだよ。たとえ自分では、すっかり忘れてしまったとしてものね」というお父さんの言葉に胸を突かれる。(私が忘れてもあるんだ…)泣きそうになる。とてもよかった。2023/05/11

モリー

33
タイトルに惹かれて手に取りました。家を手放して引っ越しする事になった家族。母が涙を流す姿を見た幼い少女は、言いたくても言えなかったでのしょう。「わたしはゆきたくない」と。版画で表現された母親の悲しげな眼差しが強く印象に残ります。また、少女がその上で呼吸を繰り返してきた土地に対する愛着の強さも伝わってきます。私も幼い時分に引っ越した経験があり、この少女に感情移入しながら読みました。「人生の最初の思い出は、いつでも、自分と一緒にあるんだよ。たとえ自分では、すっかり忘れてしまってもね」と諭す父の言葉が胸に響く。2018/10/20

Shoko

20
図書館。「詩人が送る絵本」シリーズ。 「人生の最初の思い出は、いつでも、じぶんといっしょにあるんだよ。 たとえじぶんでは、すっかりわすれてしまってもね」 子供の頃に見た景色や、思い出深い光景は、いつまでも胸の中に存在し続けるもの。ふとした瞬間に想起されて、ノスタルジーをかき立てられる、そういうもの。経験から誰もが知っていることが描かれているのですが、まるで歌の歌詞のように選び抜かれた繊細なことばと、目に焼きつくように、印象に残る版画がグッとくる、大人のための絵本でした。2017/04/01

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