出版社内容情報
輝かしい戦後詩の軌跡を示す詩人の傑作を精選したアンソロジー
=戦後詩を先導した詩人の文業、全5巻完結
この巻には、詩人の〈現在〉を鮮烈に浮かび上がらせる未刊行詩集『カンシャク玉と雷鳴』を一挙に収録する。
また『冬の幻』は、著者の敬愛するシュルレアリスト詩人・瀧口修造をモデルにした連作短篇集である。詩人の深部にわだかまる戦争の傷痕を等身大の経験として受けとめ、その内実に迫り、故人を包み込むようにして描いた、一種のレクイエムである。
掉尾を飾る長編『暗殺百美人』は、亡き中村真一郎によって、この国で初めて成功した〈超現実的小説〉と絶賛され、「ドゥ・マゴ文学賞」を受賞した傑作である。
自筆略々年譜付
密かに静かに多くの書評に取り上げられていよいよ完結。
全5巻:
1 他人の空・わが母音/評伝アポリネール/ダダ・シュルレアリスム・映画
2 ウィリアム・ブレイクを憶い出す詩/田園に異神あり/瀧口修造へのオマージュ
3 ゴヤのファースト・ネームは/バルザックを読む
4 宮古・さえずりきこう/三つの短篇/永井荷風論/「詩人の小説」その他のエッセイ
5 カンシャク玉と雷鳴/冬の幻/暗殺百美人
各巻\3500(本体)
飯島耕一(いいじま・こういち)
1930年岡山に生まれる。1952年東京大学文学部仏文科卒業。國學院大学教授を経て、2000年3月まで明治大学教授。1953年詩集「他人の空」(ユリイカ)。1955年シュルレアリスム研究会をつくって数年間続いた。詩集に「ゴヤのファーストネームは」(高見順賞)、「夜を夢想する小太陽の独言」(現代詩人賞)、「虹の喜劇」「猫と桃」などがあり、評論集に「日本のシュールレアリスム」「アポリネール」「萩原朔太郎論」「北原白秋ノート」(歴程賞)、「シュルレアリスムという伝説」「現代詩が若かったころ」などがある。他に小説「暗殺百美人(ドゥ・マゴ文学賞)、「六波羅カプリチョス」がある。
内容説明
詩人の“現在”を鮮烈に示す未刊詩集『カンシャク玉と雷鳴』からシュルレアリスト滝口修造の深部に迫った連作短篇『冬の幻』、さらにドゥ・マゴ文学賞を受賞した超現実的小説『暗殺百美人』へ。
目次
1 詩―未刊新詩集・カンシャク玉と雷鳴(全)(カンシャク玉と雷鳴;洪水 ほか)
2 連作短篇集・冬の幻(熱狂;四本足の鶏の話 ほか)
3 長篇小説・暗殺百美人
著者等紹介
飯島耕一[イイジマコウイチ]
1930年岡山に生まれる。1952年東京大学文学部仏文科卒業。国学院大学教授を経て、2000年3月まで明治大学教授
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