滅ぼされたユダヤの民の歌

滅ぼされたユダヤの民の歌

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 160p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622047100
  • NDC分類 929.731
  • Cコード C1097

出版社内容情報

ホロコーストのさなかにイディッシュ語で歌われた、絶望をも超えた900行の詩篇。関連論考所収。

内容説明

イツハク・カツェネルソンの最後の大作『滅ぼされたユダヤの民の歌』のイディッシュ語からの翻訳を、ここにおくる。ホロコーストの真実を謳い上げた900行に及ぶこの衝撃的な叙事詩に加えて、本書には、ドイツの詩人ヴォルフ・ビーアマンによるカツェネルソン伝、イディッシュ文学研究者・西成彦の書き下ろし論考、さらに年表・地図などを配す。

目次

歌え!
私は奏でる
おお、痛みよ、お前たち私の痛みよ!
またしても奴らが、あの貨車たちがもうそこにいる!
一万人をめぐる評議会の会議
最初の者たち
遅すぎる
破壊された故郷、殺戮された故郷
空に
終わりの始まりの中で〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきあかね

22
 「お前たちは彼らをどこへ連れてゆくのか?私の民の気高い娘たちを、私の民の立派な息子たちを」  あんぐりと口を開けて待つ、ユダヤ人を強制収容所へと運ぶための貨車に対して、詩人はこう問いかける。 ワルシャワのユダヤ人ゲットーという絶望の淵における経験を、叙事詩という形でとどめようとする崇高な営為。詩人イツハク・カツェネルソンは移送されたアウシュヴィッツ強制収容所で殺戮されたが、死後、三本の壜に入れて土に埋められた詩篇が見つかった。この詩は、無数のユダヤの民の身の上に生じた運命を、彼らの声なき声を代弁する。⇒2023/06/10

きゅー

7
1943年にヴィッテル収容所で秘密裏に書き進められた詩集。すでに妻と二人の息子を絶滅収容所に送られ、自身もいつ殺されるかわからない時期のことだ。そのため彼の絶望の叫びは抽象的なものではなく、具体的で身体的なものであり、その叫び声の激しさは半世紀を経た今なお減ぜられていない。しかしながら、ごく個人的な恐怖と怒りと絶望は昇華され、彼のうわ言のようなリフレインのさなかに時に大きく輝き出す。追い詰められた獣の、声を立てない叫び声が、荘厳な教会の鐘のように響き渡る。2012/09/06

圓子

6
自分が滅ぼされる可能性について、詩人はどのくらいの見込みをもっていたのか。怪しげな『パスポート』を手にしたのは、作品を書くだけの時間稼ぎをしようなどというロマンチシズムに基づくものではなかったろうと思う。生き残ろうという意志以外になにかあるのか。生き残れるかもしれないという期待以外になにかあるのか。 「我々はすべて滅ぼされた」と綴りながら、他を拒絶しながら、原稿を瓶詰にし、トランクの把手に縫い付け、詩人は誰に言葉を届けたかったのか。どんな反応を期待していたのか。2019/07/16

siervamaria

0
怒り、悲惨、絶望の織りなすこの散文詩において、滅ぼされたユダヤの民の歌とは、鋭く痛々しい、剥き出しの訴えかけそのもの。おそらくその叫びは、神への「なぜ…」「あなたはどこにいるのか」という嘆きに貫かれているだろう。(感想途中)2015/03/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/57638
  • ご注意事項

最近チェックした商品