出版社内容情報
ボズウェルからヴォルテールまで、人間の機微と時代を見据え、断片を黄金の命に変えた肖像画集。
内容説明
放蕩無頼のボズウェルからヴォルテールとの喧嘩に勝ったド・ブロスまで。人間の機微と時代を同時に見据え、伝記的断片を黄金の命に変えたポルトレの傑作。
目次
サー・ジョン・ハリントン
マグルトン
ジョン・オーブリー
ノース博士の生活と病気と死
コングリーヴ、コリア、マコーリー、そしてサマーズ氏
セヴィニェ夫人のいとこ
コルバッチ博士の悲しい物語
プレジダン・ド・ブロス
ジェイムズ・ボズウェル
モルレ神父〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
10
Lytton Strachey(1880-1932)は英国の伝記作家で、作品の大半は昭和10年代に盛んに翻訳されたらしい。本書では18世紀(ステュアート朝、ハノーヴァー朝の辺り)に残した偉大な足跡を時の流砂に消されてしまった人たちの生涯が、各10頁前後、名人芸で紹介されている。文体に関して、日本で言うと星新一の評伝が該当するのではないかと思う。18世紀の西洋に俄然と興味が湧く。戦後もぽつぽつと刊行されているようなので読み進めて行きたい。「歴史(叙述)とは芸術である」と氏は言った。2018/05/01
アジシマ
1
決して著名ではない人物の伝記集。その人物を語るに相応しいエッセンスを抽出し、完結ながらも鮮やかに人物を描く。また、一冊を読み通すことで、イギリスの一時代の空気が感じられるようになっているのはお見事。2011/07/17