出版社内容情報
工場主ムアは凶弾に倒れ、シャーリーとキャロラインの心は千々に乱れる。作者の円熟期の力作。
内容説明
愛と情念が飛翔する、本邦初の本格的全集。ムアが凶弾に倒れた―シャーリーの想い、キャロラインの想いはどこへ行くのか。物語は意外な展開を見せ大団円へ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
128
当時の社会的問題を扱っているようにも思うが、それは登場人物が巻き込まれている状況であり、2人の女性の、彼女らの置かれた状況での人生ドラマであり、結婚にいたる恋愛小説だ。イギリスの国教会の教会や牧師が随分と登場し、人間くさく描かれている。オーステンの作品に出てくる女性達の慎しみ深い感情の表し方に対し、シャーロット・ブロンテの女性達はもっと生き生きしているように思った。2016/09/12
まふ
119
シャーリーは強い意志と美貌と財力を武器にして自分の周りの男どもを手玉に取る。キャロラインはロバートへの恋情を隠してシャーリーのリードで生きてゆく。が、ロバートの工場が労働者の群れに襲われ、また、家庭教師をしているロバートの弟ルイが突如登場してから事態が動き出す、と、ここまでがこの小説の「社会派的」な流れであり、その後はシャーリー、キャロライン、ルイ、ロバートの「恋物語」となってゆく…。キャロラインの母が唐突に現れたり、意表を衝く「事件」もあるが、最後は蜂起した労働者達を除き全員がハッピーな結末を迎える。⇒2025/02/09
NAO
70
労働問題が背景であるにもかかわらず、結局は二人のロマンスに集結。どうやらそれは、亡くなった二人の妹を思ってのことらしいのだが、当時のあまりの男尊女卑ぶりにうんざりしてしまった。女性でありながらも凛としていたシャーリーは、最初は一見近代的な自立した女性に見えるのだが、結婚するや否やすっかりダメダメになってしまい、すべてを夫に丸投げして、それまでの自分の態度はすべて間違えていたのだと言わんばかりに引っ込んでしまう。また、キャロラインは夫に尽くすのが当然と考えている。こういうのが、女性の自立と言えるのだろうか?2019/05/03
星落秋風五丈原
38
【ガーディアン必読1000冊】下巻はラッダイト運動で再び工場に押し入られたロバートをシャーリーと従妹のキャロラインが心配するシーンから始まる。相変わらず「あんたたち男って!」節を炸裂させるシャーリーとロバートに会わせてもらえずただおろおろ心配するキャロライン。こうしてみるとやはりキャロラインよりシャーリーの方がヒロインらしい。ヒロインは何といっても物語を動かさないと。ところが、後半彼女が恋をしたことで勢いは失速する。ロバートを含めた並み居る婚約者たちを押しのけて選んだ相手がそれ?“家庭教師至上の恋人教”。2019/06/27
秋良
9
【G1000】もっとイギリスの労働問題とか絡んでくるのかと思いきや、上巻で色々あった工場のことはうっちゃられてロマンス主体になってた。逆ハーに興味はないんだよ……シャーリーが叔父に浴びせる「叔父様の神様は〈世間〉なの。私の目から見れば、叔父様だって偶像崇拝者だわ。わけもわからずに拝んでるんだと思うわ」という言葉は日本人にも当てはまりそう。2018/04/11
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